2024年7月11日、伊那弥生ケ丘高等学校の1年生200名を対象に、JICAオンライン出前講座を実施しました。講師は、モルディブ共和国に赴任されている JICA海外協力隊(野菜栽培)の澤田照子(さわだ てるこ)さんです。今回の出前講座は、探究学習・キャリア学習の授業の一環として実施され、「世界の課題に目を向けよう」という学習目標のもと、モルディブでの地球温暖化の影響、環境汚染の問題などについて語っていただきました。生徒の皆さんには、人類が直面している大きな課題の克服に取り組んでいるフロントランナーの授業を通じて、世界の課題解決に向けて自分自身に何ができるのかを考える機会となったようです。モルディブは国土の8割が海抜1m以下であり、近年の地球温暖化により海面が上昇した結果、国土が浸食されているという深刻な問題を抱えています。
澤田さんの協力隊としての活動目標は 野菜摂取の習慣化による国民の食生活向上です。モルディブでは栽培されている野菜の種類が少ないことから、新鮮な野菜の入手が難しく、野菜を積極的に食べる習慣があまりないため、野菜嫌いの人が多いそうです。そこで澤田さんは、モルディブで野菜を美味しく食べてもらえるような活動をしたいと考えました。味のよい日本の品種の野菜栽培に取り組み、働いているセンターの職員さんに試食してもらい、モルディブの人たちの口に合うかどうか確認しているそうです。
授業の後半では生徒たちがグループに分かれて、「世界の課題解決に向けて自分自身にできること」をディスカッションしました。各グループでは、エアコンの利用を減らす、エコバッグを利用する、フェアトレード商品を購入する、といった身近にできる解決策について共有され、生徒たち自らが地球環境を守る意識が高まったことがよくわかりました。
授業の最後に、ひとりの生徒から、同じ島国に暮らす国民として何かできることがあれば教えてほしい、という質問がありました。澤田さんからは、日ごろの小さな積み重ねがとても大事であり、例えば節電やフードロス削減など、ひとりひとりができることに取り組んでほしい、とのメッセージをいただきました。授業に参加した生徒たちの中から、澤田さんのように世界を舞台に活躍する若者も出てくるかもしれません。
昔ながらの建物は、石垣がサンゴで作られている
世界の農業の課題解決に向けて自分自身にできることについて考えてみよう
scroll