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【ネパール⇔秋田県】国際入門!進路選択のサポートに。ネパール協力隊からのメッセージ~自分の価値観を大切にしながら多様性のある世界を生きる~-秋田県立由利高等学校①

2024年7月11日、秋田県立由利高校国際科の生徒37名に向けて、JICAオンライン出前講座を実施しました。講師は、JICA海外協力隊(職種:経営管理)としてネパールで活動中の榎本未希さんです。国際入門として行われたこの講座の目的は、生徒たちの主体的な進路選択をサポートすること、そして世界の現状や課題を知り、自分たちにできることを考える機会を提供することです。

はじめに、榎本さんの自己紹介とキャリアパスについて。進路・キャリア選択で大事にしてきた観点の紹介や「正解・不正解はない、自分で選ぶことが大事」というメッセージに、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。
次に、赴任地レレ村と協力隊の活動について。美しい山々や田園風景の影には、海外出稼ぎ・カースト制・女性の地位の低さなど社会課題が山積しているそうです。赴任当初榎本さんは、協力隊の要請内容と現地の状況が異なるという逆境にぶつかりますが、どんな活動であれば現地の人々ためになるかを模索。その結果、「レレ村を農業に強く、美しい街にする」という新たな目標を立て、活動を展開されています。その一つである野菜の試験栽培では、現地農家と協力して日本のキュウリを栽培、カトマンズの日本食レストランに販売し始めたそうです。「自分の好きなことであれば失敗してもまた挑戦する意欲が湧いてくる」という言葉に、励まされた生徒も多かったでしょう。
後半は、異文化理解・共生がテーマでした。ネパールの人々は、雨が降ったら学校・仕事を休むことがあるそうですが、彼らにとっては合理性がある、というお話を聞き、異文化を理解するためには、その人たちの行動の理由を知ろうとすること、そして世界の多様性などを学びました。共生のアドバイスとして、常識を疑いつつも自分の気持ちも大切にすること、違いを受け入れ楽しむこと、その上でどうしても受け入れられない時は無理せず距離を置くことを挙げられていました。

質疑応答では多くの手が挙がり、生徒の一人は「ネパールの人たちのラフなところを見習いつつ、榎本さんのように失敗も上手く乗り越えられるようになりたい」と発表してくれました。学校からは、「キャリア選択についてのお話や、現地で実際に生活している中で見えてきた社会的な課題など、様々なトピックについてわかりやすくお話いただきました」とのコメントがありました。

(以下写真は、講師・依頼主双方から、webサイトでの使用許可をとってあるものです。写真は、必要に応じて一部加工しています)

具体的なエピソードを交えながら、キャリア選択で大事にしている3つの観点についてお話いただきました

具体的なエピソードを交えながら、キャリア選択で大事にしている3つの観点についてお話いただきました

ネパールの好きな風景について質問され「緑豊かなレレ村の山の向こうに、雪に覆われたヒマラヤが見える時」と答えた榎本さん。質問した生徒も「自分も山間部に住んでいるので、よくわかります」共感していました。

ネパールの好きな風景について質問され「緑豊かなレレ村の山の向こうに、雪に覆われたヒマラヤが見える時」と答えた榎本さん。質問した生徒も「自分も山間部に住んでいるので、よくわかります」共感していました。