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【ルワンダ⇔京都府】途上国で活動する「水の防衛隊」って知ってる?―花園高等学校

2024年7月18日、花園高校のESS部の部員へむけたJICAオンライン出前講座を実施しました。参加者は、8月にネパールでのボランティア活動に旅立つ高校1年生。講師は、ルワンダに赴任するJICA海外協力隊(コミュニティ開発)の齊藤隆一郎さんです。齊藤さんは現在、コミュニティ開発分野の「水の防衛隊」として活動しています。水の防衛隊とは、その国の地域住民が「安全な水」へアクセスできるように、さまざまな活動を担う隊員のことです。講座の目的は、海外協力隊員の話を聞き、国際協力や海外ボランティア活動についての理解を深めることです。

講師の齊藤さんは、中学生のときに参加したボランティア活動での深い充足感から、「将来は人の役に立ち、人から感謝される仕事に就きたい」という思いを抱くようになりました。大学卒業後7年間企業に勤めた後、国際協力に携わるためにJICA海外協力隊に挑みました。講義の中では、まずルワンダの言語や歴史などの基本情報についてお話を聞きました。ルワンダで1994年に起きた大虐殺についても、追悼施設の写真とともに詳しくお話を聞くことができました。民族対立が原因で、3カ月のうち80~100万人もの人命が奪われたという凄惨な歴史です。

ルワンダで水の防衛隊としての齊藤さんの活動は、ハンドポンプの修繕指導から、ジェリカンと呼ばれる水汲み用ポリタンクの洗浄指導まで幅広いものです。地下水用ハンドポンプの設置が進んでいるルワンダですが、故障したポンプの修繕に課題があります。せっかくポンプがあっても故障したまま放置されているがために、住民はまた不衛生な河川水を使い、感染症などの病気にかかってしまう。その悪循環を断ち切るために、齊藤さんは故障したハンドポンプの報告システムの設置を進めています。

質問タイムには、参加者生徒から「言葉の壁にぶつかった時にどうすればよいか?」「自分のあたりまえを相手に押し付けないことを心にとめておこうと思っていますが、齊藤さんはどんなことに気をつけていますか?」などの質問が次々に出されました。齊藤さんからは、「私自身は、現地の人の笑顔が見たいという気持ちで活動しています。まずは恐れずに話しかける。出発前に少しでも現地語を覚えていく。相手にあわせ過ぎようとしないで、日本のことを知ってもらうことだって自分ができることだと考える。日本の宗教や政治などについて自分で考えて、日本のことについて英語で説明できる力をつけておきましょう」とのメッセージがありました。

(以下写真は、講師・依頼主双方から、webサイトでの使用許可をとってあるものです。写真は、必要に応じて一部加工しています)

ハンドポンプの修繕ってどんなことをするの?動画を見てイメージを深めました

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ポンプが故障したら、QRコードから故障を報告できるシステムがあるそうです

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