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【モロッコ⇔埼玉県】あなたならこの山をどう登る?JICAオンライン出前講座―埼玉県立所沢高等学校

2024年7月18日、所沢高校とモロッコをつなぐ、JICAオンライン出前講座を実施しました。講師はJICA海外協力隊(職種:PCインストラクター)の井出森洋さんです。今回の参加者は夜間定時制の1~4年生の78人。講座の目的は、国際社会の一員として世界の課題解決のための態度を育むことです。

講座では、JICA国際協力推進員が30分間講義をした後、井出さんの講義が始まりました。まずはモロッコの国のこと、生活の様子についてです。井出さんは、所沢高校の昨年まで英語教員として勤めていらっしゃったので、生徒たちは親近感を持って聞いていました。モロッコのきらびやかな都会から美しい海、イスラム教が根付いた生活、タジン料理や海鮮料理などについて、写真をたくさん見せてくれながら説明されました。メロンが一つ200円で買えるのは羨ましい限りです。

井出さんはPCを利用して先生の生徒指導や授業の課題改善に取り組んだり、英語を教えたりしています。井出さんは「英語の授業をゼロから始めたが、失敗の連続だった。どんな失敗だったでしょうか?」と問いかけました。その失敗談は次のようなものでした
・最初に英文法を教えてみたが、小学校高学年から主婦までで学力レベルはバラバラだった
・アラビア語で生活しているために、英語のアルファベットが書けない子もいた
・月1600円と格安だった授業料を誰も払ってくれなかった。
最終的に人生のゴールで山頂に達するとして、どうやって山を登りたいか。まっすぐ登りたい人もいれば、人が作った道を登りたい人もいるし、山頂に上らなくていいと考える人もいる。井出さんは回り道をして色んな経験をしたいと考えています。井出さんは参加者に、何かわくわくするものを高校時代に見つけてほしい。最初はめんどくさいと思うだろうが、頑張ってやるうちにきれいな景色が見えてきて、豊かな人生を送れると思う、とメッセージを送りました。

所沢高校の担当教諭からは、「JICAの国際協力推進員の方から最初に講義をいただけたことで、ぐっとオンライン出前講座への集中度が増したように感じます。今まであまり経験をすることがなかったことで関心を持てなかったことでも、このような機会をいただけたことで興味関心が出てきたように感じます。」という感想をいただきました。

ショッピングモールの本屋には、日本の漫画がいっぱい。

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カフェでサッカーの試合を観戦するモロッコの人たち

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敬虔なイスラム教徒の女子生徒。国王について発表をしています。

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