2024年9月19日、旭川荘厚生専門学院1年生の学生45名の皆さんのために、JICAオンライン出前講座を実施しました。講師は、南米ペルーに赴任するJICA海外協力隊(青少年活動)の山元隆子さんです。今回の参加者は、将来看護師の資格取得をめざしている学生の皆さんです。講座の目的は、広い視野で自分自身の進路について考えていくことです。
山元さんは、日本で長く臨床心理士・公認心理師として働かれてきました。小中学校などの学校現場ではスクールカウンセラーとして、大学では学生相談室などでカウンセリングを実践されてきた専門家です。講座はまず2つの質問で始まりました。「開発途上国という言葉にどんなイメージを持ちますか?」「ペルーではどんな生活をしているでしょう?」学生の皆さんはそれぞれノートに自分の考えを書き留めます。講座を通して、理解が深まったりイメージが膨らんだりしていくと良いですね。
他の途上国がそうであるように、ペルーでも都市と地方は大きく異なります。山元さんに見せていただいた首都の写真には、高層ビルや高速道路など日本と変わらない大都市の姿が見られます。そんな首都からバスで8時間半の山岳地域に山元さんの任地はあります。美しい山、湖、山岳地域の地方料理、羊やアルパカの毛から糸や装飾品を作って路上で売っている人々など、様々な写真を見ることができました。
山元さんは現在そんな山岳のワラスという街にある施設で活動しています。貧困や家庭内暴力、ひとり親家庭などさまざまな事情で家庭的に脆弱な状況にある人々が通う施設です。朝8時から夕方まで、乳児から高齢者まで幅広い年齢層の人々がこの施設にやってきます。山元さんは、最低賃金以下の生活をしている人々がよりよく暮らせるように、また幼い子どもたちの発達や学びがよりよくサポートされるように、支援方法を施設長と検討したり、非常勤スタッフへ研修を行ったりしています。
首都と地方の医療的な格差についてもお話いただきました。他の開発途上国同様、ペルーでも、地方では医療機関が不足し、専門の医師が不在のケースが多いです。人々は巡回診療を利用したり、首都まで通ったりして診察をうけている現状があるそうです。参加者の皆さんからは、「日本で働く中で、海外で仕事をしたいと思うようになったのはなぜ?」「ドクターヘリはありますか?」「非常勤スタッフの待遇は?」「地方で暮らしていて医療面で実際に困ったことは?」など多くの質問が寄せられました。海外で働くという道が、将来学生の皆さんのキャリア選択の一つになるかもしれないと想像するとわくわくします!
冒頭で2つの問いが投げかけられました。講座後のイメージの変化が楽しみです。
授業最後には質疑応答タイムです。
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