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【ケニア⇔北海道】思いっきり生きるケニアの子どもたち!幸せって何だろう?日本の高校生が語りあったJICAオンライン出前講座-北海道標津高等学校

2024年10月17日、北海道標津高等学校2年生を対象にJICAオンライン出前講座を実施しました。講師はケニアで活動中のJICA海外協力隊員(青少年活動)松井秀人さんです。松井さんの活動地は、首都ナイロビから北東へ車で1時間ほどのティカという街です。松井さんは、ティカにある「チルドレンレスキューセンター」と呼ばれる子ども保護施設で活動しています。日本の中学校で英語教員として働いていた松井さんは、海外で働くという夢を叶えるため教職を辞め、JICA海外協力隊としてアフリカに渡りました。今回は、ケニアでの松井さんの活動や、特に貧困に苦しむスラムの子どもたちの現状と支援活動についてお話を伺いました。

1枚の写真から

講座の冒頭、松井さんは1枚の写真を見せます。そこには、笑顔のケニアの子どもたちが、バーベキューのようなことをしている様子が写っていました。「何をしていると思いますか?」と松井さんは尋ねます。高校生たちは「バーベキュー?」「何かの料理中?」と答えますが、さて答え合わせは講座の最後に。

ケニアってどんな国?ケニアの子どもたちの笑顔と複雑な背景

ナイロビなどの都市部には華やかなショッピングモールやオフィス街が並ぶ一方、多くのスラムが存在し、劣悪な環境で暮らす貧困層も多くいるそうです。松井さんの住むティカにも多くのスラムがあります。冒頭の写真に写っていた子どもたちは、そうしたスラムからはじき出され、レスキューセンターで生活している子どもたちでした。この施設では、虐待やネグレクトなどで適切な養育を受けられない子どもたちが生活し、食事や寝る場所を提供されています。講座の冒頭でセンターの子どもたちが焚火で焼いていたのは何でしょう?それは彼らが近所で狩った小鳥でした。センターでは食事が提供されますが、ひどく空腹の場合は、子どもたちは手製のパチンコで小鳥を打ち落とし、羽をむしって焼いて食べることもあるそうです。中には出生記録がなく、自分の誕生日や生まれた場所を知らない子もいます。それでも、生きる術を身につけ、困難な環境でもいきいきと過ごす彼らの姿を松井さんは強い眼差しで語ってくれました。

「物がないからかわいそうなのではなく、彼らはちゃんと楽しんでいる。人によって幸せの感じ方は異なる」という松井さんの言葉は標津高校の生徒の皆さんや先生方の胸に大きく響いたようです。生徒の皆さんが活発に意見交流に参加し、画面の向こうの松井さんに質問する姿はとても逞しかったです。

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センターの子どもたちとの日常の活動を、たくさんの写真と動画で伝えていただきました(プライバシーの観点から現地保護施設の子どもは加工を施してあります)

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生徒の皆さんは非常に積極的。質問タイムは大盛り上がりでした