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【フィリピン⇔岩手県】、在住外国人との接し方のヒントに・・・地元出身者から協力隊活動と現地の生活を学ぶ―滝沢市国際交流協会

2024年11月2日、岩手県立大学の学園祭の1イベントとしてJICAオンライン出前講座が開催されました。講師はフィリピンでJICA海外協力隊員として活動する、岩手県滝沢市出身の前川未歩さんです。県立大学の学生が、現地に溶け込んで活動されている青年海外協力隊の様子を伺い、在住外国人とのより良い接し方について考えることをねらっています。

フィリピンでの生活から、文化や社会について考えよう

フィリピンは平均年齢が24歳と若く、人口ボーナス期が続いている一方で、日本と比べて失業率が高く、産業構造に課題を抱えていることが、例と共に説明されました。経済成長をしている反面、貧困も重大な社会問題のひとつです。講座最後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられました。首都と地方の貧困格差の実態や、フィリピンの人々が日本についてどのように考えているかなど、具体的な内容に関心が集まりました。前川さんはそれぞれの質問に丁寧に答え、現地での経験を交えながら詳しく説明しました。参加者は、フィリピンの社会や文化についてさらに深く理解を深めることができたようです。

JICA海外協力隊に参加した理由 現地での活動

前川さんが協力隊に参加したきっかけは、「自分の経験が誰かの力になるなら挑戦してみたい」という思いからでした。中学生のときに東日本大震災を経験し、「支援をしてくれた世界中の人々への恩返しをしたい」という志が、協力隊参加の原動力となったそうです。現地での活動内容として、貧困層の支援や教育プログラムの実施、地域住民との協働による課題解決が紹介されました。現地のACTIONというNPO法人に派遣されています。前川さんの「マーケティング」という専門性を活かして、貧困家庭のお母さんたちが作るハンドメイド雑貨の販路を拡大する活動をしています。

ボランティア募集のお知らせ

講座の最後には、前川さんから「職場では毎年ボランティアを募集している」という案内がありました。「2025年春のボランティアを募集しているので、海外ボランティアや子どもと深く関わり、フィリピンの今を知ろう等に興味のある方は、ぜひACTIONのホームページにお問い合わせください」というお知らせがありました。国際協力には様々な形があります。JICA海外協力隊のように2年間の派遣は難しいという人は、2週間くらいのボランティアプログラムに参加するという選択肢もあるのですね。

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平均年齢24歳と若いフィリピンの人口構造について説明する様子。

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参加者とのQ&Aセッションで質問に丁寧に答える様子。