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【ケニア⇔高知県】セーシェルと日本の絆~国際協力の現場から~JICAオンライン出前講座-みらいハイスクール共創校

2025年1月14日、高知県立嶺北高校と北海道大空高校の1・2年生6人を対象にJICAオンライン出前講座を実施しました。両校は「みらいハイスクール共創校」のネットワーク加盟校で、その活動の一環として万博国際交流プログラムに参加し、1月下旬にセーシェル共和国を訪問します。そのための事前授業としてJICAオンライン出前講座をおこないました。講師は、JICA ケニア事務所でセーシェル事業を担当されているJICA職員の油井茉生奈さんです。知られざるインド洋の真珠セーシェルの魅力を紹介していただきました。

セーシェルは地上最後の楽園

アフリカの東、インド洋に浮かぶ島国のセーシェルは、アフリカ地域に所属する国です。しかし、アフリカ大陸の国々とは、様々な面で異なっているそうです。元々はだれも住んでいなかった島々のセーシェルですが、今はクレオールとよばれるヨーロッパ人とアフリカ人の混血の人が多く住んでいます。その人口はたったの12万人で、面積は種子島ほどのとても小さい国ということに受講生たちは驚いていました。しかし、透き通ったインド洋のサンゴ礁に囲まれた国土は、地上最後の楽園・インド洋の真珠と呼ばれる美しさで、訪問に期待が膨らみます。なんと人口の3倍もの観光客が1年間で訪れるそうです。その観光収入や漁業から得られる恵みは大きく、アフリカで唯一の高所得国なんだそうです。食べ物の紹介では受講生はインディカ米のご飯が気になったようですが、マグロなどの美味しそうな海の幸の紹介をみて一安心したようです。

日本とのつながり

講座の後半では、日本とセーシェルの関係について、解説いただきました。通常、高所得国は援助対象にはならないのですが、観光と漁業に依存した経済構造の弱さや、海賊や自然災害の被害を受けやすい島国としての課題が残っていることから、現在JICAは限定的ながらセーシェルを支援しています。これまでは主に気候変動対策・防災分野や水産分野での協力事業を実施しました。受講生からは「アフリカと日本で、全然違う国だと思っていたけど、支援された漁港は日本と似ていてつながりを感じた」「セーシェルを訪問した時に、機会があれば日本から支援された場所を見てみたい」といった感想がありました。

講座の最後に受講生たちから「セーシェルは小さい国ながら、限られた人材で国として動いていてすごい。自分たちの暮らす日本の地方の小さな街の創生にも学べることがあるのではないか」、「万博国際交流プログラムでは、環境と教育をテーマにしていて、自分がどんなことをできるか考える良いきっかけになった」といった意見が挙げられました。講師からは、この講座で学んだことを元に、セーシェル訪問時にさらに多くのことを心と体で感じて、自分たちがより良い未来を共創していくために、どんなことができるかをしっかりと考えて欲しいとエールが贈られました。

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地上最後の楽園の食事の紹介に、受講者の皆さんは興味津々。

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日本の協力の事例も紹介されました。受講者は日本とのつながりを感じられたようです。