所長あいさつ

この度コートジボワールに赴任しました若林と申します。

コートジボワールはカリスマ的なウフェ・ボワニ大統領のもと「イボワールの奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げたものの、ウフェ・ボワニ大統領死去後の政治的な混乱、2000年代前半の内戦を経て国は荒廃、コミュニティー間で争いがおき、社会的な分断が生じるなど、暗い歴史を経てきています。もともと歌や踊りが大好きな明るい国民にどこか影があると感じるのは私だけではないと思います。

そこでJICAはこれまで分断されたコミュニティーを再び一つにするための支援、社会の安定化のための警察や行政への支援等、コートジボワールが安全で安定した社会を実現するための支援を行ってきました。歴史的に、地政学的にもともと高いポテンシャルを有するコートジボワールは、いくつかの政治的な混乱や新型コロナウイルスの影響による経済後退を経ながらも、再び「イボワールの奇跡」に近い経済発展を遂げようとしています。2017年に私がコートジボワールに出張した際に感じた街や人の暗さ、治安の不安定さも目に見えてよくなりつつあるように感じます。

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しかし、その根底にはこれまでの社会の分断に加え、急速な経済発展による経済的な格差が新たな分断を生む危うさを抱えているとも言えるでしょう。西アフリカの経済大国であり、地域の今後の成長を牽引するコートジボワールは多くの社会課題を抱えていると言えます。我々はDXや気候変動対策などの視点を盛り込みながら、国際機関や日本の企業の皆様等と協力し、イノベーティブな課題解決を図り、コートジボワールと日本の発展に貢献してまいります。

加えて、コートジボワールはアフリカ開発銀行の本店があるだけでなく、兼轄しているトーゴでは西アフリカ開発銀行の本店があるなど、金融のハブとしても大きなポテンシャルを有している国、地域です。様々な機関と協力しながら、コートジボワール、トーゴともに、日本と西アフリカ地域の成長を支えてまいる所存です。

コートジボワール、トーゴでのJICAの取り組みを応援していただければ嬉しく思います。是非ご注目ください。

JICAコートジボワール事務所長
若林基治