所長あいさつ

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世界で99番目のJICA海外拠点として、今年1月に産声を上げましたJICAキューバ事務所、そのウェブサイトへの訪問、ありがとうございます。
フロリダ半島からわずか150キロメートル南の、エメラルドグリーンのカリブ海に浮かび、カストロやチェ・ゲバラ率いる革命軍が59年前に勝ち取った「キューバ革命」で世界に名を馳せ、その後、一貫して社会主義体制を貫き通し、米国の経済制裁にも屈せず、自主独立の雄として、アジア・アフリカの第三世界・非同盟諸国に強い影響力を持つ国キューバ。日本の方々には、野球選手、葉巻、サルサ、1950年代のクラシックカーなどを連想させることでしょう。

そんなキューバが日本と400年を超える交流の歴史があることや、今年が日本人キューバ移住120周年であること、1970年代、日本は西側諸国(共産圏以外)で最大の貿易相手国であったこと、また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の内、先進国すら成し得ていない目標を既にいくつもクリアーしている国であることを、ご存じな方は少ないのではないでしょうか。また、革命以来、社会主義の理念としての平等主義を体現(教育・医療の完全無料化、食料の配給、職業に係わらず同一賃金体制等)し、存続している唯一の国でもあります。

JICAは「キューバ革命」の翌年の1960年の研修員受け入れに始まり、現在の技術協力プロジェクトや無償資金協力事業に至るまでの58年間に亘り、キューバ独自の計画経済を尊重しつつ、途切れることなくパートナーシップを維持し、人々の生活向上に協力・貢献してきました。
特に2000年代以降は、キューバの国策である食糧増産・食糧自給(特に米)に資する農業分野への協力、ハバナ湾の浄化やハバナ市廃棄物処理関連等の環境分野への技術協力を中心に実施してきました。
また、2016年の日本の総理大臣としては初めてとなる安倍総理大臣のキューバ訪問による首脳会談を契機に、両国の関係の一層の強化が確認され、キューバに対する経済協力を本格化させ、官民一体での開発ニーズに応えるべく、保健医療分野への協力を本格的に開始し、高度な医療機器による診断技術の向上や医療機器維持管理能力の強化等に取り組んでいます。
また、現在は、それらに加え、再生可能エネルギー活用の促進や電力の安定・効率的供給に資するエネルギー分野への協力、そして、基幹インフラである道路・鉄道・港湾・空港・都市交通の整備に資する運輸交通分野への協力やプロジェクト展開を計画しています。

キューバにJICA事務所を新設したこと(体制強化)は、これまで以上に、効果的・効率的、かつ、きめ細やかでダイナミックな事業・協力を展開し、この国が目指す、独自の社会・経済発展に大きく貢献することを表明することであり、これまでのベースの上に、新たなステージでの第一歩を、この国の人々と共に汗しながら踏み出したいと思います。

「Hasta la Victoria siempre!」「常に勝利に向かって!」(チェ・ゲバラ語録)

キューバ事務所長
小澤 正司