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「海外ルーツの市民とともにある日本社会」を開催しました!

2022.02.14

シンポジウムの録画を公開中です!

近年、海外ルーツを持つ市民が増えている現状に、NPOなどは市民の暮らしと労働を守り、だれも取り残さない様々な取り組みを進めています。
このシンポジウムでは、日本で暮らす海外にルーツを持つ市民が、私たちと平等に人権を尊重されることの重要性、彼らを取り巻く日本社会の課題を理解し、共生社会実現に向けた私たちができるアクションについて考えました。

はじめに、基調講演として、『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』の著者である望月優大氏から、熊本県のベトナム人技能実習生の妊娠と死産の事例も引きながら包括的、体系的に海外にルーツを持つ労働者の人権と制度の問題についてお話いただきました。

午後からは1.技能実習生の現場、2.地域と職場、3.学習の現場の3つの分野で当事者や支援者から現場の生の声を紹介いただきました。
インドネシア技能実習生のインタビューを交えた佐伯奈津子氏からの報告では、技能実習生をめぐる課題とその取り組みについて参加者の理解が一層深まりました。
また、山田ロサリオ氏と神田すみれ氏の対話からは、外国人としてではなく、同じ市民として見られたいという思いや、市民の権利がフルに享受できる環境を整えるべき日本社会の責務についても話をされました。さらに、技能実習生や日系人などの定住者が労働市場において競合関係になりつつある現状にも問題提起されました。
最後に、フィリピン出身の竹内正直氏とインドネシア出身の金子ケシア氏との対話では、ともに若いときに来日した経験を持ち、日本でのキャリア形成の過程における難しさについてお話がありました。日本語教師等の支援を得て夢の実現をさせた竹内氏のような成功事例の一方で、周囲からの適切なサポートがなく、夢を諦めざるを得ない、海外にルーツを持つ子供たちが多くおり、適切な支援の重要性に気づかされました。

最後に、基調講演、午後からの発表を踏まえ、9つのグループに分かれ、私たちができることは何か、議論をしました。限られた時間の中ではありましたが、皆さん活発に意見のやり取りをされ、各グループから取り組むべきアクションを発表いただきました。

参加者からは、各統計を元に多角的な視点から海外にルーツを持つ労働者の在り方を知ることができた、立場の異なる当事者のお話を聞くことによって技能実習生や海外ルーツの市民の立場に対する理解が深まった、等の感想を頂きました。

本シンポジウムの望月優大氏による基調講演と3つの分野(1.技能実習生の現場、2.地域と職場、3.学習の現場)の報告の録画を、本シンポジウムを共催しました名古屋NGOセンターおよび東海社会市民ネットワークのホームページにて3月9日まで限定公開しています。
下記URLよりご覧ください。

今後もJICA中部は、随時セミナーやイベントを開催していきますので、是非ご参加ください!

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