所長あいさつ

【画像】

このたび、世界有数の資源国であり、国土も日本の6倍で、アフリカ大陸で2番目に大きな国であるコンゴ民主共和国のJICA事務所長として着任しました。

これまで、アフリカではモロッコ、カメルーン、マダガスカルで勤務した経験がありますが、コンゴ民主共和国への訪問はこれまで機会がありませんでした。事務所のある首都キンシャサは緑も多く、人口1400万人を超える大都市であり、発展のポテンシャルを感じます。他方、このまま行くと2050年には人口が2500~3000万人に拡大し、アフリカ最大級の都市となることが予測され、今からこの大都市の抱える課題の解決に取り組むことが求められています。

日本とコンゴ民主共和国との友好のシンボルであるマタディ橋は来年完工40周年を迎えるアフリカにおける日本のインフラ協力の記念碑的存在ですが、そこには日本の技術協力を通じて醸成された日本の心と技術が宿るコンゴ人エンジニアにより、橋の維持管理が現在も高いレベルで実施されています。今後もこのような質の高いインフラ整備のニーズに応える取り組みを進めて参ります。

1990年代のコンゴ戦争により、この国の治安は不安定化し、その影響は今も続いています。市民に信頼される警察組織を構築し、国内の治安の安定化を達成することは、経済発展を目指す上でも重要な課題で、この分野でJICAはドナー連携を進め、東部地域も含めた警察能力強化を推進していきます。

また、コンゴ盆地はアマゾンに次ぐ世界第2位の熱帯雨林面積を誇り、コンゴ川を挟んで並ぶコンゴ民主共和国とコンゴ共和国の双方にとって森林保全は世界の気候変動対策の注目の的となっています。JICAはこの二つの国の「途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)」対策を支援し、近年注目を浴びるコンゴ盆地の泥炭保全にも貢献していきます。

保健医療分野では、エボラ等感染症の宝庫である中部アフリカの感染症研究の拠点である国立生物医学研究所(INRB)と協力し、域内の感染症対策研究を進めるとともに、脆弱な保健医療システムの強化に向けた取り組みを続けていきます。

これら質の高いインフラ整備、警察協力、環境保全、保健医療の4つの分野を軸に、JICAの資金協力と技術協力を効果的に組み合わせて協力事業を推し進めます。さらに、これら事業間の連携とともに、他ドナーや民間セクターを含む様々なアクターとの連携によりシナジー効果とコレクティブインパクトの発現を目指して参ります。

最後にコンゴ民主共和国とコンゴ共和国、日本から遠く離れたアフリカ大陸の知られざる国々を是非身近に感じていただける取り組みも進めていきたいと思います。

コンゴ民主共和国事務所長
村上 博信