所長あいさつ

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この4月にエチオピア事務所長に就任した山田です。ハイビスカスやブーゲンビリアが咲き乱れる首都アジスアベバに到着した先週は、キリスト教において最も大事な復活祭(イースター)の連休にあたり、季節の良さと相まって、街なかは夜遅くまでとても賑やかで活気がありました。ヨーロッパの静謐なイースター週間とは対照的です。

アフリカのエチオピアでキリスト教との繋がりにピンとこない方も多いことと思います。事実、街のにぎやかさの中にあっても、市内モスクからはイスラム礼拝を奨めるアザーンの声もきれぎれに聞こえ、多民族で多文化混在の様相がうかがえます。イースターは言うまでもなく、イエス・キリストの逮捕と処刑、そして3日後に復活したとされるキリスト教の根幹を表した新約聖書の記述に従ったイベントです。その新約聖書記者は、指導者イエスを失った弟子たちがその後世界に向け宣教活動を始めた様子を記しており、そのひとつの事例としてエチオピア女王の側近がイエスの教えを受け入れ弟子のひとりから洗礼を受ける場面を克明に記しています。つまり2000年前にはエチオピアとして国が成立しており、当時パレスチナとの交易が行われ、従って当時からキリスト教化が容易に進められていたことが分かります。(史実ではローマ帝国で西暦313年にキリスト教が公認された後の330年にエチオピアの国教とされています。)

私たちがエチオピアと聞くと、1970年代、80年代の大飢饉と飢餓というイメージが強く、現代でも地方部における干ばつの影響は強いとのことですが、一方で日本を圧倒する年率10%の経済成長率とそれを裏付けるかのような首都の建築ラッシュ、落書きのない公共バスをバス停で並んで静かに待つ人々、日本の生産性向上運動をエチオピア全体に導入したいという熱い思いを語る指導者など、その国としての長い歴史と相まって一言でエチオピアを語ることのできない難しさを既に感じています。そうした国の開発に携わることのできる幸せを噛みしめつつ、いま一度人々の幸せとは何かをエチオピアの同僚たちと問い直しながら業務を進めていきたいと考えています。

2017年4月 山田健