グアテマラ向け地域警察プロジェクト討議議事録(R/D)の署名:グアテマラの治安改善に貢献

2021年3月30日

SDGs Goals

国際協力機構(JICA)は、2021年3月30日、グアテマラ市にて、グアテマラ共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「地域警察プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions:R/D)に署名しました。

JICAが南米ブラジルに対して20年間実施してきた技術移転の成果として、同国サンパウロ州に根付いた日本式コミュニティ警察があります。住民から信頼されるコミュニティ警察をグアテマラにも普及させるため、ブラジルの協力の下2016年から2019年に「コミュニティ警察の普及を通した警察人材育成プロジェクト」を実施しました。同プロジェクトではグアテマラ県内2市のプロジェクトサイトにおいて、地域警察活動を推進し、警察と市民の信頼関係が構築され、犯罪抑止につなげることができました。
「地域警察プロジェクト」は前述したプロジェクトの後継案件です。グアテマラ首都圏全域にプロジェクトサイトを拡大し、カウンターパートである内務省及び国家文民警察と共に、実務及び警察官教育における地域警察・防犯のさらなる普及及び定着を図ります。ブラジル政府との三角協力により、サンパウロ州軍警察によるグアテマラ警察官研修受け入れやブラジル専門家派遣も予定されています

グアテマラはホンジュラス及びエルサルバドルと併せて中米北部三角地帯と言われ、麻薬密輸を行う国際犯罪組織や若者を中心としたギャング集団(マラス)等が活動する地域です。そのため、これらの犯罪組織による強盗、殺人、恐喝、窃盗等の問題を抱えています。2011年の10万人当たりの殺人発生件数は38.6件であり、2019年には21.5件まで減少したものの、一般犯罪が常態化し、組織犯罪や女性が被害者となる事件も多く、市民への脅威となっています。犯罪により、国内総生産の7%以上が押し下げられているとの研究もあり、治安問題は政権を超えた最優先課題でもあります。

本事業では、カウンターパートである国家文民警察に地域警察業務を定着させることで、将来的にグアテマラ全土の治安改善を目指します。

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案件基礎情報

国名

グアテマラ共和国

案件名

地域警察プロジェクト

実施予定期間

60か月

実施機関

内務省、国家文民警察

協力機関

ブラジル国際協力事業団、サンパウロ州軍警察

対象地域

グアテマラ首都圏

具体的事業内容(予定)

国家文民警察の警察官養成及び幹部向けカリキュラムに地域警察業務にかかる単元を組み入れ、全ての警察官が地域警察業務に関する知見を有するよう組織体制を整備します。併せて地域警察業務にかかる国内研修及び第三国研修を実施し、警察官の人材育成を行います。

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