所長あいさつ

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日本は令和の時代となり、インドでは新政権が発足しました。今年度は気分も新たに業務に取り組みたいと思います。昨年度(2018年度)を振り返ると、対インド新規事業では、環境に優しい揚水発電所や農民の生活向上を意図した酪農分野の事業を新たに採択しました。また、インド政府によるSDGs(持続的開発目標)の推進のため、ODAで初めて政策支援型借款の供与を行いました。この事業では、インド政府のSDGs達成に必要な政策アクションの実施を促し、かつ発展の遅れた地域での開発事業を支援するものです。これらの支援を含め、昨年度は円借款の約束額が約5千3百億円、事業に実際に使われる貸付実行額が約2千6百億円となり、いずれも過去最大規模となりました。

また、実施中事業では、チェンナイメトロの全線開通やアーメダメトロの部分開通、オディッシャ下水事業の完成、また、ムンバイ海上道路の本格工事開始など、が特筆されます。また、トリプラ州やヒマーチャルプラデッシュ州では、植林や生物保護の新事業開始式典が行われました。注目度の高い高速鉄道事業は、順次本体工事の入札が進められています。技術協力の分野では、新たに鉄道事故の軽減を目的とした鉄道安全能力強化プロジェクトを開始しました。さらに、製造業分野の人材育成協力やウッタラカンド州の山地災害対策等も継続実施をしています。

日本の中小企業支援では、高強度コンクリート製造、生活排水処理の遠隔監視システム、環境配慮型トイレの導入、また、モジュール金型の人材育成について、普及・実証事業などが開始されました。青年海外協力隊は、日本語教師など、新たに8名が昨年度に派遣され、それぞれ活動を始めています。

また、開発分野で実績を上げているインドの社会的企業の成功要因について、JICA研究所から論文を発表しました。社会的な課題をビジネス手法で解決する社会的企業は、農業や水、また雇用促進等の分野で目覚ましい成果を上げており、開発の現場でどのように連携していくか模索しているところです。

今年度は、新政権の新たな政策を踏まえながら、大型事業の着実な推進や社会セクター分野における支援の充実、また、継続案件の成果発現に従事していく所存です。さらに、「自由で開かれたインド太平洋」構想に基づき、日印連携による近隣国支援やアジア・アフリカ協力、また、北東部の連結性事業などを進めて行きます。

2019年6月15日
インド事務所長 松本勝男(まつもとかつお)

JICAのインド業務の概要についてさらにお知りになられたい方については以下のリンクをご覧ください。