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世界ふれあいひろば~20年間の歴史ある市民向けイベント~

2025.01.16

サムネイル
JICA北海道(札幌) 所長 阿部 裕之

JICA北海道(札幌)では毎年、地域の人々が世界とつながり、国際協力や異文化理解について考えるイベント「世界ふれあいひろば」を札幌国際交流館と共催、今年も無事に開催することができました。イベント開催までの裏側と当日の様子をお伝えします。

「大切なイベントを中止にはしたくない」

 例年8~9月に開催するイベントですが、今年の札幌センターは大規模改修工事の最中。開催日がなかなか決まらず、そもそも開催するかどうかというところから悩みました。札幌センターには「ほっかいどう地球ひろば」やレストランなど一般の方も気軽に利用できるスペースがありますが、このイベントをきっかけにセンターの存在を知ってくださる方も多く、簡単に中止を決断することはできませんでした。最終的に工事工程の後ろ倒しによって札幌センターを会場にはできなかったものの、お隣の札幌国際交流館の館内と札幌センターのレストラン・カフェ「地球こうさてん」を会場として、なんとか開催にこぎつけました。
 一方、札幌では12月の開催自体がチャレンジでした。具体的には、①積雪と吹雪の可能性があること、②交通の便が必ずしも良いとは言えない会場で、駐車場の一般開放ができないことによる子ども連れの集客が難しいと想定されたこと、③クリスマス時期による他イベントとの競合の可能性があることなど…。このような懸念をどうすれば払拭できるか、センター内でも議論し、「他のイベントでは味わえないJICAでやるイベントならでは」を前面に出してPR。また、チラシやHPだけでなく、フォロワー数の多いインスタグラマーにも協力いただくなどの工夫を続けました。その結果、多くの方にお越しいただけたのは本当に嬉しかったです。
 それでは、イベント当日、一体どんな「JICAならでは」があったかをご紹介しましょう。

JICAの強みを生かしたイベント

・クイズラリーで世界のお土産をゲット!
館内にあるチェックポイントすべてのクイズに答えたら、各国のJICA研修員が寄贈してくれたお土産がもらえる、毎年大人気の企画です。

・馬頭琴演奏とシャガイでモンゴルを体験しよう!
モンゴル出身の札幌センター職員が企画。羊のくるぶしの骨を使った遊び「シャガイ」と伝統的な楽器である「馬頭琴」の演奏を紹介しました。「シャガイ」では、親子でゲームを楽しむ様子が見られ、会場はとても活気に満ちていました。馬頭琴演奏は、モンゴル出身のプロの演奏者をお迎えし、本場の美しい音色が会場に響きました。

小さなお子さんも馬頭琴の演奏を楽しんでくれました!

・世界から生配信クイズ
ブータンで活動中のJICA海外協力隊員とイベント会場をオンラインで繋ぐクイズ大会。「ブータンって住所がないの?」など、ニュースではなかなか知ることのできない情報にびっくりする参加者も沢山いました。

ブータンのびっくり情報に皆さん興味津々

・フロアカーリングを体験しよう!
開発教育で繋がった聾学校の先生のご協力で実現した、「札幌ろうあ者フロアカーリング協会」とのコラボ企画。北海道新得町発祥のスポーツフロアカーリングを「その場にいる誰もが一緒に楽しめる」というユニバーサルスポーツというコンセプトで行いました。JICAではSDGsが掲げる「誰一人取り残さない」の理念のもと、障害主流化にも取り組んでいます。この企画では、JICA研修員も一緒に、ゲームだけでなく国際手話での交流も楽しみました。

・北海道コンサドーレ札幌 榊翔太OB選手とサッカー交流をしよう!
JICA北海道(札幌)は、JICA研修員用にユニフォームを寄贈いただいたり、試合会場のJICAブースの出展など、北海道コンサドーレ札幌と様々な連携を行っています。本プログラムでは、榊OB選手が講師役に!来場された方々とJICA研修員が一緒にサッカーを楽しみました。また、北海道コンサドーレのマスコットキャラクター「ドーレくん」も会場内を練り歩き、各種イベントを盛り上げてくれました。

コンサドーレの皆さんやドーレくん、ありがとうございました!

協力団体ブースで楽しむ!
NGO等の12団体にご協力いただき、開発途上国の雑貨やフェアトレード商品等の販売、パネル展示、子どもも楽しめるアートやゲームなど様々なブースを出展。多くの交流が生まれ、会場はたくさんの笑顔で溢れていました。

日本では見慣れない雑貨が沢山並びました

番外編:アンケートは紙からQRコードへ そして答えたくなる形式にアップデート!

沢山の来場者の方に回答いただきました。

昨年のイベントから紙のアンケートを廃止。QRコードの各会場での掲示やプログラム一覧表での掲載を行ったものの、回答率があまり良くありませんでした。「アンケートに答えたらプレゼントがもらえる!」というアイディアも出ましたが、紙の資源を増やすような案では本末転倒。そこで、今年新たに取り入れたのが掲示型アンケートです。アンケートは特に来場者に伺いたかった「何を見てこのイベントに来たか」「イベントの感想」の2つに質問に絞り、それぞれの質問にシールを貼って回答できるようにしました。結果は狙い通り回答率が大幅アップ。来年の開催でも取り入れつつ、皆さんからお寄せいただいたご意見を企画にも反映させたいと思います。

毎年パワーアップする「世界ふれあいひろば」を!

最終的に500名超に来場いただき、盛況のうちに幕を閉じた「世界ふれあいひろば2024 ~世界とつながるフェスティバル~」。イベント終盤、来場者のお一人がスタッフに近づき、「今年もとっても良かった!本当に毎年楽しみ。」と嬉しいコメントをくださいました。イベントを中止にしなくてよかったと思った瞬間でした。
本イベントを20回も続けてこられたのは、地域の皆様の支えがあったからです。これからも、地域に愛される札幌センターとしてその役割を果たしていきたいと思っています。

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