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海外の日系中学生が日本で感じたものとは?

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2026.04.07

サムネイル
JICA横浜 所長 大野裕枝

海外の日系中学生が日本で感じたものとは?

毎年、約50名の日系中学生が、夏と冬の2グループに分かれて、JICA横浜にやってきます。今年も1月13日から2月5日まで36人が来日しました 。JICA横浜では世界各国から多くの研修員を受け入れていますが、中学生の研修員はちょっと特別。その様子と背景をご紹介します。

日系社会次世代育成研修(中学生招へいプログラム)とは

本プログラムは、海外の日本語学校に在籍する、将来の日系社会の発展を担う生徒たち(日本の中学生に相当)が、日本人の海外移住の歴史に関する学習、日本の中学校体験入学、ホームステイ、日本文化その他の研修を通じて、自身のルーツと日本に対する理解を深め、さらに自らの日系人としてのアイデンティティーを改めて認識することを目的としています。 この中学生招へいプログラムは1987年に開始され、これまでに累計1,500人以上が参加しています。

なぜ日系?

世界には約500万人、中南米には約300万人の日本人移住者の子孫が暮らしており、彼らは日本との信頼関係を築いてきた「最強の知日派 ・親日派」です。
世代交代が進む各国の日系社会において、 コミュニティが自立的かつ持続的に維持され更に発展していくには、若い世代が日系人としてのアイデンティティーを確立していくことが重要です。JICAは、日系社会での日本語教育や文化継承を支援し、次世代を担う人材育成に取り組んでいます。

JICAの前身組織である海外移住事業団では、戦後の国策として海外移住を推進し、多くの日本人を中南米へ送り出しました。この歴史が、現在の日系社会との強い絆の基盤となっています。

高校生プログラムの開講式にて、横浜センターより歓迎の挨拶

日系高校生の参加者の皆さん

なぜ横浜?

明治期以降、多くの移住者が横浜港から世界へ旅立ち、北米・中南米の日系社会の礎を築きました。また、移住者たちが語学訓練等を行った海外移住センターも横浜の根岸にありました。そのような歴史から、JICA横浜には海外移住資料館が併設され、日本人移住の歴史と日系社会の歩みを学べる拠点となっています。研修員はここで、祖先がどのように新天地で生き抜いたのかを知り、ルーツへの理解を深めます。

研修の様子

「移住国と日本」という2つのアイデンティティーをもつ参加者が、自国の日系コミュニティにおいて、年長者の親族や知人から話として聞いてきた日本社会。 そこに実際に足を踏み入れる このプログラムに、各人、多様な想いを抱いて臨んでいます。写真にある藍染体験もその一つ。日本を見て接して体感する中で、大きな楽しみや喜びに出会える一方で、それぞれのアイデンティティーの葛藤にも向き合います。多感な中学生が、 24日間のプログラム期間中に各々感じたことを、他参加者と共有し、ぶつけ合い、考察を深めた上で最終日にはグループ発表をします。
また、最終報告会後の懇親会では、全員で練習した日本の曲を合唱します。

藍染体験をした日系中学生たち

参加者の声

参加者からは、「自分のルーツをもっと学びたくて参加しました。体験入学で日本の学生と交流し、文化の違いを実感しました。今後は自分の国と日本の懸け橋になりたいです」といった声や「日本文化についてたくさん学び、日本文化を大切にしたいと思うようになりました」「移住の歴史を学び、おじいちゃんがどんな気持ちで移住したか分かりました」「日系人であることは自分のアイデンティティーの大切な一部だと気づくことができました」、「この3週間は人生で忘れられない経験です。仲良くなったみんながそれぞれの国に帰っても、友情を大切にして、いつか日本か世界のどこかで会いたいです」など沢山の声が寄せられました。

発表からは、ルーツを学んだ喜び、新しい友達との絆、日本文化の学び、違う文化への尊重などが感じられ、それぞれが大きく成長した様子が見られます。地球の反対側から家族のもとを離れ、3週間以上の研修に挑んだ中学生たち。将来が本当に楽しみです。

実際に、過去にこのプログラムに参加したと話してくれた中南米の外交官に会ったこともあります。「信頼で世界をつなぐ」――JICAのビジョンを体現するプログラムだと感じます。

海外移住資料館へ

日系や日本人の海外移住に興味のある方は、ぜひJICA横浜の海外移住資料館へお越しください!
「われら新世界に参加す」をテーマに、インターネットもない時代に海を越えた日本人・日系人(中学生たちのご先祖様)の歴史を学べます。

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