世界保健機関による国際緊急援助隊医療チームのEMT再認証

2023.11.22

世界保健機関による国際緊急援助隊医療チームのEMT再認証

 国際緊急援助隊医療チーム(以下「JDR医療チーム」)は、11月17日、世界保健機関(World Health Organization: WHO)より、緊急医療チーム(Emergency Medical Team: EMT)Type2として再認証されました。

 海外で大規模な自然災害が発生し甚大な被害が発生した際、世界各国から様々な緊急医療チームが被災国・地域へ派遣されますが、その能力や水準は様々です。そこで、WHOは2011年にEMTの国際標準の策定を開始し、EMT認証(EMT Classification)及び国際登録(Global Registry)制度が2015年7月から開始されました。本制度により、大規模災害に対応する被災国政府や国際機関等は各EMTの能力を事前に把握することが可能となり、各EMTの能力に相応しい役割や活動地を割り当てることができ、より効果的な緊急医療支援を行うことができます。

 JDR医療チームは、2016年にType1(外来患者に対する初期医療及び巡回診療を実施)及びType2(外科的手術や入院機能)及びスペシャリストセル(透析及び手術)の能力を有するチームとして認証を受けました。この認証を継続するには、5年に1度、再認証を受ける必要がありますが、JDR医療チームが最初の認証を受けてから5年目にあたる2021年は、新型コロナウイルスの影響で正式な再認証プロセスは延期され、本年実施されることとなりました。再認証では通常、評価者が各チームを訪れ、チームの実態を視察したり、近年の派遣経験、活動の進捗などをチームから聴取したうえで、評価者が再認証可否を判断します。ただし今回は、今年2月に発生したトルコ地震の際に派遣されていたJDR医療チームの活動場所にWHOからの視察があり、ここで再認証にも必要なチーム視察も終えていました。そのため、残るプロセスであった2016年以降の派遣経験や活動進捗の説明を11月17日にオンラインで行いました。これらのプロセスを経て、JDR医療チームは11月17日、無事に再認証を取得することができました。評価者からは、「トルコのサイト訪問では患者からの評判の高さ、コーディネートセンターがオフィスのように機能していたことに感銘を受けた。」といったコメントがありました。

 JDR医療チームは、海外での大規模災害に派遣された際、より質の高い必要な医療を提供できるよう、引き続きチームの体制整備や隊員への研修訓練などを実施していきます。

以上

オンライン発表に参加したJDR医療チーム登録者と事務局員

オンライン発表の様子

トルコ派遣時の視察の様子

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