国際緊急援助隊(JDR)救助チーム 兵庫県で総合訓練 ~トルコ派遣後初の実戦的訓練~

2024.03.18



国際協力機構(JICA)は、3月12日から14日までの間、海外の大規模災害に対して派遣される国際緊急援助隊(JDR:Japan Disaster Relief Team)救助チームの実践的な総合訓練を、兵庫県広域防災センター(三木市)を主会場に行いました。
救助チームは、主に地震による倒壊建物に取り残された人々の捜索・救助を行うことを任務としており、2010年に国連の専門機関「国際捜索救助諮問グループ(INSARAG)」により、最上級(ヘビーチーム)の国際認証をうけています。指揮本部以下、警察・消防・海上保安庁等から選抜された救助隊員を中心に、救助犬及びハンドラー、医療班、構造評価専門家、業務調整員などから構成されています。
総合訓練は、チーム一体となった活動の展開、即応力の向上、国際基準で定められた捜索・救助手法の確認などを目的として、おおむね1年に1回開催されています。今回の訓練は2023年2月に発生したトルコ地震に対しJDR救助チームが派遣されて以降、初めてとなります。
訓練には隊員76名及び救助犬4頭が参加しました。3月12日朝、成田空港を想定した地点(JICA関西、神戸市中央区)に隊員が参集。被災国を想定した兵庫県広域防災センター(三木市)に移動すると、さっそく被災国政府との調整、活動拠点となる宿営地の設営、初動の捜索・救助活動(ASR2活動[1])に着手、本格的な捜索・救助活動につなげていきます。参加隊員にはシナリオは事前に知らされておらず、連続48時間、ノンストップで、実戦さながらの演習が繰り広げられます。
 救助隊員は、捜索において救助犬と連携するほか、構造評価専門家との協働による被災建物における救出活動の安全確保、医療班隊員との協働による要救助者救出・救命、通信班と連携した指揮所との通信網構築など、多機能の職種が一体となって活動を展開します。さらに指揮本部による適切な指揮、業務調整員によるロジスティクスの確立、他国救助チームとの国際連携・調整なども重要な演練項目です。
 
冷たい雨が足掛け2日間降り続き、その後、早朝には氷点下近くの気温を記録する中、訓練は寒さやぬかるみとの戦いともなりました。JICAは今回の訓練の成果を踏まえ、より高いレベルでの救助チームづくりに今後も取り組みます。


[1] ASR2: INSARAGガイドラインで規定された捜索救助アセスメントASR(Assessment, Search and Rescue) 活動5段階のうち、第2段階に該当するセクタ-アセスメント(Sector Assessment)。要救助者がいる可能性がある現場を特定するための活動。

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