海部俊樹 元首相 訃報に対するメッセージ
2022.01.21
海部俊樹元首相が、1月9日にお亡くなりになりました。
海部元首相は、1960年に国会議員に初当選された後、青年に夢と希望を与えられるような日本を目指され、1961年に「日本平和部隊構想」を自民党青年局若手議員の方々と共に発表されました。その実現に向けて、アフリカ4カ国への現地調査に団長として参加される等、精力的に取り組まれ、1965年4月20日に「日本青年海外協力隊」が発足するに至りました。1968年には、初代の「青年海外協力隊に関する小委員会(現「日本の国際協力-特に青年海外協力隊の活動-を支援する国会議員の会」)」委員長に就任され、3代目、5代目の委員長としても、協力隊の発展に一貫して尽力されました。
1989年8月に総理大臣に就任され、10月2日の所信表明演説では、締め括りに以下のように述べられました。
「新しい時代の夜明けをもたらすのは,青年の燃えるような使命感と情熱であります。時代は再び、青年の理想精神を求めております。発展途上国で土地の人々と生活や労働を共にし、その国のために奉仕している青年海外協力隊の皆さんや国内でボランティア活動に尽くす人々に共通してみられる、ひたむきな心と行動が求められております。青年が、激動する社会の中から、新しい時代を切り拓くために何をなすべきかを考え、何ができるかを語り、目標を高く掲げて行動に移るときこそ、我が国の未来に限りない希望が湧いてくるのであります。
私は全力を挙げて、このような国づくりに邁進することをお誓いいたします。」
首相在任中、海部元首相は、外交面では東西冷戦構造の終焉、湾岸危機の発生という激動の国際情勢の中、世界の平和と繁栄のために汗を流す「志ある外交」を掲げて諸課題に取り組まれました。幾多の難局に立ち向かわれる中にあっても、ご自身がその創設に力を注がれた青年海外協力隊事業と派遣される隊員を温かく支援し続けて下さいました。
先の見えない時代にも信念を貫かれた海部元首相のご冥福を心からお祈りし、ご生前のご功績に深甚なる感謝を申し上げます。JICAは海部元首相の遺志を受け継ぎ、海外協力隊の派遣をはじめとした国際協力事業を通じ、今後も開発途上国の経済・社会発展と平和のために、引き続き尽力してまいります。
独立行政法人 国際協力機構(JICA)
理事長 北岡 伸一
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