北岡理事長がAFDリウ総裁と会談(オンライン)

2020.06.18

北岡伸一JICA理事長は、6月12日、フランス開発庁(AFD)のレミー・リウ総裁とオンラインで会談しました。

冒頭、両者は、新型コロナウイルス感染拡大を受けたそれぞれの機関の事業実施状況について共有し、2019年に締結された協力覚書も踏まえ、両機関の連携を積極的に推進し続けていくことを確認しました。両者は、新型コロナウイルス感染拡大への対応について、アフリカなどの開発途上国にも成功例があること、他方で、脆弱な層への影響等は特に注視する必要があることなどの認識を共有しました。

リウ総裁(右)と北岡理事長

北岡理事長は、コロナ危機は歴史的に重要な転換点になりうるとした上で、JICAは「ポスト・コロナの世界における国際協力」に関する研究のほか、事業の進め方の見直し、保健システム及びユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)(*)を重視した感染症対策についての研究・発信等に取り組んでいることを共有し、特に従来から重視してきた予防を中心としたアプローチで保健・水衛生・栄養等の分野での協力を強化していきたい旨述べました。
(*)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC):すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられること。

リウ総裁は、自身が議長を務める国際開発金融クラブ(IDFC、JICAもメンバー)が2020年11月に共催を予定している開発銀行サミット(Finance in Commonサミット)において、研究を含めたJICAの経験や知見を共有して欲しいと、強い期待を示しました。北岡理事長は、同サミットの重要性から、同時期の開催に賛同の意を表明しました。加えて、二度の世界大戦を例に、国際協調に失敗した第一次世界大戦後の例を繰り返してはならず、世界大恐慌と第二次世界大戦を受けてブレトンウッズ体制が作られたように、危機を乗り越えるためには国際開発金融の役割が極めて重要であると指摘し、さらなる国際協調の推進への協力を呼びかけました。また、リウ総裁は、人道と開発の連携や防災についてJICAと協力したいこと、日仏両国がそれぞれ次回、次々回の夏季オリンピック・パラリンピックを開催予定である点を踏まえ、スポーツと開発についても特にJICAと連携していきたいことに言及しました。北岡理事長はこれに同意し、スポーツは特に平和と関係が深く、JICAでも南スーダンなどで取り組みを拡充していることを強調しました。

JICAは、コロナ危機による国内外の関係者の安全確保に最大限努めつつ、引き続き国内外のパートナーと共に開発途上地域における強靭な社会の構築に向けた協力に取り組んでいきます。


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