北岡理事長がブラジル政府から南十字星国家勲章を受章
~60年以上にわたる日伯協力への感謝の証~
2022.03.22
北岡伸一国際協力機構(JICA)理事長はブラジル連邦共和国政府から「南十字星国家勲章(Ordem do Cruzeiro do Sul)コメンダドール位」を受章しました。3月7日、東京のブラジル大使館で授賞式が執り行われ、エドアルド・サボイア駐日大使から北岡理事長に勲記と勲章が授与されました。南十字星国家勲章は同国への功績が極めて顕著な外国籍者に授与される最高位かつ最古の勲章です。
サボイア大使より「JICAによる協力は、農業生産拡大や自然災害のリスク軽減、アマゾン森林違法伐採対策など、両国の友好と協力の歴史において大変重要な役割を果たしています。コロナ禍においてもブラジルの窮状に対し、JICAは北岡理事長の陣頭指揮の下大変迅速に対応し、両国間の協力がさらに推進されました。世界が再び戦争の惨禍に直面している中、本日は、平和を促進する道として、異なる民族間の協力の重要性を祝し、ここに南十字星国家勲章を授けます」と授章の言葉がありました。
授賞式での北岡理事長(中央)
南十字星国家勲章
これに対し、北岡理事長は「大変名誉ある勲章をいただき光栄です。2019年に日本の対ブラジル協力は60周年を迎え、両国は戦略的グローバルパートナーシップを結ぶなど、世界で最も重要な二国間関係の一つに発展してきました。両国の関係が引き続き緊密かつ発展的に成熟し、世界の平和と安定に貢献していくことを願い、その一翼を引き続き担ってまいります」とお礼の言葉を述べました。
また同時に、在京ブラジル大使館における「エジムンド・ススム・フジタ大使記念スペース」の設置・序幕式も催されました。故フジタ大使はブラジル日系人として初めて外交官になられた方で、東京大学に留学されたことがある他、インドネシア大使、韓国大使を歴任されるなど、ブラジルとアジア・日本の架け橋として長年活躍されました。
JICAは、故フジタ大使および二宮正人氏(サンパウロ大学教授、JICA International Advisory Board(注)委員)の長年のご功績を記念するとともに、お二人の後に続く方の育成を目指し、ブラジルのサンパウロ大学との協力により2019年に「フジタ・ニノミヤチェア(ブラジルにおける日本開発研究プログラム)」を立ち上げました。このプログラムを嚆矢として、2020年より開発途上国の各分野で将来のリーダーとなる人材を育成すべく、日本の近代化経験等を海外で学ぶ「JICA日本研究講座設立支援事業(JICAチェア)」を開始し、2022年3月現在47か国で実施しています。
JICAは、今後ともブラジルの社会経済発展および日伯関係強化のために、様々な協力を展開していきます。
(注)IABは、国際的に著名な国内外の有識者の方々からJICAの事業方針や取り組みに関する助言を得て事業の戦略性の向上等を図ることを目的に、2017年3月に設置したものです。
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