ASEAN向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:東南アジアにおける持続可能な農業・食料システムの実現のためにフードバリューチェーンの強化に貢献

#1 貧困をなくそう
SDGs
#8 働きがいも経済成長も
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.07.28

国際協力機構(JICA)は、7月28日、ジャカルタにて、東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局との間で、技術協力プロジェクト「ASEAN-JICAフードバリューチェーン開発支援プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。本プロジェクトは、2019年5月に締結された日・ASEAN技術協力協定に基づいて実施する技術協力プロジェクトで、ASEAN事務局がR/D署名者となるのは初めてのことです。

東南アジア地域では、経済発展に伴う中間層の拡大から食に対する消費者ニーズが多様化・増大化しており、農業・食品産業は成長の可能性が高く、日本企業も強い関心を示しています。また、ASEAN加盟国の多くでは、農業は依然として主要な雇用機会・収入の源であり、食料および栄養安全保障の観点からも、最重要セクターのひとつとなっています。しかしながら、生産者活動に消費者のニーズが反映されていないなど、生産から製造・加工、流通、消費に至るフードバリューチェーンの各段階で、付加価値創出のポテンシャルが十分発揮されているとは言えません。フードバリューチェーンの課題に対し、ASEAN経済共同体は、様々な施策を講じる各国をリード・支援することで、加盟国全体の調和のとれた発展に努めています。

署名式の様子

署名式の様子

本事業は、ASEAN事務局が調整機関となり、①作物栽培、②衛生と植物防疫のための措置、③水産、④農業協同組合の4つのASEANセクトラル・ワーキンググループメンバーと協力して、ASEAN地域でのフードバリューチェーン振興に向けた体制・環境づくりの促進に寄与するもので、JICAグローバル・アジェンダ農業・農村開発の柱の一つである「包摂的なフードバリューチェーンの開発」に沿って、SDGsゴール1(貧困をなくそう)、ゴール8(働きがいも経済成長も)、及びゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献します。 

本年は、日本ASEAN友好協力50周年にあたりますが、ASEANを協力のパートナーとすることにより、日本企業の東南アジア地域の農業・食品産業への事業展開を支援し、更には地域の平和と安定の要であるASEANの統合深化にも資することを目指します。

案件の詳細は以下のとおりです。

案件基礎情報

国名 東南アジア諸国連合(ASEAN)
案件名 ASEAN-JICAフードバリューチェーン開発支援プロジェクト
実施予定期間 36ヵ月
実施機関 ASEAN事務局ASEAN経済共同体部門別局食料農林業課 
対象地域 ASEAN加盟諸国
具体的事業内容(予定) 上位目標:ASEAN地域でのFVC振興のためのASEAN 農業生産工程管理(GAP)、衛生と植物防疫のための措置(SPS)、養殖生産工程管理手法(GAqP)、官民連携事業(PPP)促進に係る提言報告書とガイドラインがASEAN加盟国の関係者に利用される
プロジェクト目標:ASEAN地域でのFVC振興に向けた体制・環境づくりが促進される
成果1:各国のGAP導入およびASEAN GAP促進のための措置が検討される
成果2:各国で検疫措置に不可欠な残留農薬の分析能力が強化される
成果3:GAqPの促進と検査メカニズムに関するガイドラインおよび関連方針の作成により水産セクターにおける食の安全が向上する
成果4:官民連携によるFVC振興の戦略が検討される

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