スリランカ向け無償資金協力贈与契約の締結:感染性廃棄物処理の強化を通じて、健康被害の軽減に貢献
2023.04.27
国際協力機構(JICA)は、4月26日、コロンボにて、スリランカ民主社会主義共和国政府との間で、「感染性廃棄物管理改善計画」を対象として5億300万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
スリランカでは新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、各地の医療施設で感染性廃棄物量が急増しています。これらの廃棄物を適切に処理する設備の導入が喫緊の課題となっていますが、政府予算の制約等の理由から十分に対応できていません。老朽化した焼却炉や野焼きによる処理では廃棄物が適切な焼却温度に到達せず、ダイオキシンや黒煙、悪臭が発生することに加え、不適切に管理された感染性廃棄物からの感染性病原体への曝露リスクが増大しています。
本案件は、スリランカ国内の15ヶ所の医療廃棄物焼却炉の整備を通じて、スリランカの医療施設における感染性廃棄物の処理を強化するものです。感染症による健康被害の軽減と煙害や悪臭等周辺環境への負荷の低減が期待され、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3(すべての人に健康と福祉を)に貢献します。
案件の詳細は以下のとおりです。
署名式の様子
国名 | スリランカ民主社会主義共和国 |
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案件名 | 感染性廃棄物管理改善計画(The Project for the Improvement of Infectious Waste Management) |
実施予定期間 | 55ヵ月(詳細設計・入札期間含む) |
実施機関 | 保健省 |
対象地域・施設 | スリランカ全土 |
具体的事業内容(予定) | 1.施設整備/医療廃棄物用焼却炉を15ヶ所に計15台設置 2.コンサルティング・サービス 詳細設計、入札補助、調達監理、ソフトコンポーネントとして焼却炉の適切な運用や廃棄物の適正な分別及び管理、モニタリングなどに関する研修実施計画策定のためのマニュアル作成及び研修支援。 |
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