モロッコ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:サブサハラ・アフリカ地域における水産セクターの安定性・持続性の確保に貢献
#1 貧困をなくそう

#14 海の豊かさを守ろう

2023.06.14
2023.06.14
国際協力機構(JICA)は、6月14日、モロッコ王国政府との間で、技術協力プロジェクト「ブルーグロース型養殖開発プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。
海面漁業はモロッコの経済を支える産業の一つです。モロッコの漁業生産の9割近くは南部の大西洋海域が占めている一方で、同国の漁業従事者の9割以上を占める沿岸・零細漁業者の大半が同国北部の地中海沿岸地域で生計を営んでいます。そうした小規模・零細漁業者が安定的・持続的な漁業生産を行ううえで、海面養殖開発への関心が高まっています。モロッコの沿岸は直線的な海岸が大部分を占め、湾やラグーン等の遮へい水域は限られており養殖適地が少ないことが、同国において養殖開発の技術的な障壁となっています。
署名式の様子
本案件は日本の無償資金協力「貝類養殖技術研究センター建設計画」や過去の技術協力を通じて移転された養殖技術や水産普及制度等の技術を活用し、モロッコ北部・中部の地方沿岸漁村を対象に、環境調和と地方開発を指向した「ブルーグロース型(注)」の持続的な貝類・藻類の小規模養殖の実施を促進します。本案件を通じ、零細漁業者が多くを占める他のサブサハラ・アフリカ地域での海面養殖開発のモデルとなることが期待され、SDGsゴール14(海の豊かさを守ろう)及びゴール1(貧困をなくそう)に貢献します。
案件の詳細は以下のとおりです。
国名 | モロッコ王国 |
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案件名 | ブルーグロース型養殖開発プロジェクト |
実施予定期間 | 36ヵ月 |
実施機関 | 海洋漁業庁、国立水産研究所(INRH)、海洋漁業技術学院(ITPM Larache)、養殖開発公社(ANDA) |
対象地域 | アムサ市、ララッシュ市、スースマーサ地方、地中海側の零細漁村 |
具体的事業内容(予定) | 現地の環境に適した二枚貝と海藻の小規模養殖技術の開発、養殖モデルの作成、養殖普及のための研修能力の強化、沿岸コミュニティにおける二枚貝・海藻の養殖生産と経済活動の展開等 |
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