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田中理事長が第2回グローバル難民フォーラムに参加

2023.12.19

田中明彦JICA理事長は、12月12日から14日にかけ、スイスのジュネーブで開催された第2回グローバル難民フォーラム(GRF)に参加しました。

田中理事長は開会セッションの後、JICA・国連開発計画(UNDP)・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)共催による人道・開発・平和の連携(HDPネクサス)に関するハイレベルイベントで基調講演を行ったほか、2つのハイレベルイベントに登壇しました。また、国連機関や難民受入国の代表との面談を行いました。

田中理事長は、JICAとUNHCRが共催したHDPネクサスに関するハイレベルイベントの基調講演で、人道危機が複合的に拡大している昨今の状況を踏まえ、難民の長期化した状況への対応と危機の予防のためには、人道支援だけでなく、開発・平和に携わるアクターの協力が欠かせないと述べました。また、HDPに関わる各アクターの相互補完的な協調を推進するため、難民受入国政府の役割とリーダーシップの遂行を支援することの重要性を指摘しました。その上で、JICAがこれまでに実施してきたウガンダ等の難民受入国での行政能力強化支援及び難民を対象とした人材育成の事例を紹介し、さらに多くの人道・開発・平和のアクターが協調して難民及び受入地域に協力するよう呼びかけました。

HDPネクサスのハイレベルイベントの様子

HDPネクサスのハイレベルイベントの様子

コロンビア政府及びエジプト政府等主催の平和構築と紛争予防に関するハイレベルイベントでは、コロンビアや南スーダンにおけるJICAの平和構築に向けた協力の事例を紹介しました。両国での取り組みが、難民・国内避難民・帰還民・受入地域の住民を包摂的に支援して平和につながること、難民発生の根本原因の解決と帰還につながることへの期待を述べました。そして、平和構築をさらに推進するために、近隣諸国間の地域協力の重要性にも言及しました。

平和構築と紛争予防に関するハイレベルイベントに登壇する田中理事長

平和構築と紛争予防に関するハイレベルイベントに登壇する田中理事長

世界銀行及び日本政府等が主催したグローバル譲許的資金ファシリティ(GCFF)に関するハイレベルイベントでは、日本がGCFFに対する最大の拠出国であることに触れつつ、この仕組みが難民を受け入れている中所得国への譲許的資金の提供を可能にし、人道的なニーズと受入国の開発の促進に同時に貢献可能であることを強調しました。また、具体的な協力事例として、GCFFを通じた世銀の融資とJICAの円借款の協調融資の事例や、世銀等の譲許的な資金とJICAの技術協力での受入国政府への能力開発支援との協調の可能性を紹介しました。

GCFFハイレベルイベントに登壇する田中理事長

GCFFハイレベルイベントに登壇する田中理事長

ラウフ・マゾウ国連難民高等弁務官補との面談では、GRFの成果を踏まえて今後の人道・開発・平和の連携の取り組みをフォローアップする重要性に加え、UNHCR-JICA間の協調をさらに推進していくことを確認しました。

マゾウ国連難民高等弁務官補と面談する田中理事長

マゾウ国連難民高等弁務官補と面談する田中理事長

フォルカー・ターク国連人権高等弁務官との面談では、世界人権宣言75周年という節目の時期に、人権の考えを開発協力にも組み込む可能性を議論しました。JICAは開発協力大綱に沿って人間の安全保障を指導理念としていることを共有した上で、人権の保護・保障のための両機関の意見交換の重要性を確認しました。

ターク国連人権高等弁務官と田中理事長

ターク国連人権高等弁務官と田中理事長

ザンビアのムタレ・ナルマンゴ副大統領との面談では、ザンビアにおける元難民の社会統合支援を通じたHDPネクサス推進に資する協力についての意見交換を行い、今後の協力の方向性を確認しました。

ムタレ・ザンビア副大統領と田中理事長

ムタレ・ザンビア副大統領と田中理事長

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