スリランカ向け無償資金協力贈与契約の締結:病院への太陽光発電設備導入を通じて、安定した医療提供体制の強化に貢献

#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs
#7 エネルギーをみんなに。
そしてクリーンに
SDGs
#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs

2024.02.15

国際協力機構(JICA)は、2月14日、コロンボにて、スリランカ民主社会主義共和国政府との間で、「病院における再生可能エネルギーを活用した電力供給安定化計画」を対象として12億3,000万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

署名式の様子

スリランカでは近年、石炭・石油等を用いた火力発電を主要電源の一つとして利用してきましたが、2022年には、国際的な燃料価格の高騰と外貨不足の影響により、火力発電に使用される燃料の輸入が大幅に滞りました。同年8月には電気料金が約75%値上げされ、一時は計画停電が頻繁に実施されるなど、電力が安定的に供給できない状況となりました。こうした状況はスリランカの医療分野にも深刻な影響を及ぼしました。特に高度な医療の提供や大人数の入院患者の受入れなどのために多量の電力を消費する大型病院では、電気料金の大幅な値上げにより病院の財政が圧迫され、各病院で空調停止や照明の間引きなどの可能な限りの節電策が取られる事態となりました。また、不安定な電力供給に端を発する計画停電により、一部病院で予定されていた手術が中止されるなど、医療行為そのものにも影響が生じていました。

本案件は受け入れ患者数が多く、高度医療を提供する中核病院のうち、過去に日本が支援していて日本との関係が深い3つの病院(スリジャヤワルダナプラ総合病院、ラトナプラ教育病院、クルネガラ教育病院)を対象に、太陽光発電設備を導入することで、消費電力の低炭素化を促進し、かつ光熱費負担を低減するものです。これらによって、スリランカにおける安定した医療提供体制の強化に寄与することが期待され、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3(すべての人に健康と福祉を)、ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)に貢献します。

案件の詳細は以下のとおりです。

案件基礎情報

国名 スリランカ民主社会主義共和国
案件名 病院における再生可能エネルギーを活用した電力供給安定化計画
(the Project for the Stabilization of Power Supply Using Renewable Energy at Hospitals)
実施予定期間 36ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 保健省
対象地域 西部州コロンボ県、サバラガムワ州ラトナプラ県、北西部州クルネガラ県
具体的事業内容(予定) ① 施設整備/機材調達
太陽光発電設備(3つの病院に合計約900kW)等

② コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、調達監理、施工管理(屋根改修等)

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