インド工科大学ハイデラバード校完工式典開催: 日印の人的交流の推進に向け、モディ首相も祝辞

2024.02.26

(2024年2月27日追記)
2024年2月26日に掲載した本リリースについて、写真のキャプションに以下のとおり企業名・肩書に誤りがありました。訂正の上、お詫びいたします。
誤:大野株式会社アプリデザインワークショップ
正:大野株式会社アプル・デザインワークショップ代表取締役所長

2月20日、インド共和国(以下「インド」)テランガナ州ハイデラバード市において、円借款「インド工科大学ハイデラバード校整備事業(フェーズ1)、(フェーズ2)」によって整備されたインド工科大学ハイデラバード校(Indian Institute of Technology, Hyderabad (以下、IITH))の完工式典が開催されました。

完工式典のポスター

完工式典のポスター

式典はオンラインを併用したハイブリッド形式で実施され、インド側からはモディ首相がオンラインにて出席した他、現地にて事業関係者らが多数出席し、完工を祝いました。オンラインで出席したJICAの井本理事は、2007年以降の日本とIITHの関係の深化に感謝を示ししつつ、JICAがIITHの最も近しい友人としてこれからも連携を続けていくことを述べました。

IITH に関する日印協力の歴史は、2007年8月の安倍元首相とインドのマンモハン・シン首相(当時)による日印首脳会談にて、同校への支援に合意したことに遡ります。2008年に同校が開校して以来、同国の技術革新を進め、産業界をリードする知識と技術を備えた人材を教育するため、同校のキャンパス施設の整備、拡充が不可欠となっていました。

JICAは、2014年に日本・インド政府間で調印された円借款事業「インド工科大学ハイデラバード校キャンパス整備事業」融資により、キャンパス施設の建設と研究機器の調達を支援し、IITHの約20棟の設立に貢献しており、2月20日にこれらの施設が完工を迎えました。

円借款事業で支援した約20の施設のうち、6つ(学生会館、国際会議場、ビジネスインキュベーションセンター、国際交流会館、総合研究センター、中央図書館)は、JICAの技術協力プロジェクト「IITHキャンパスデザイン支援プロジェクト」の下、東京大学の専門家(当時)により設計されました。

式典の翌2月21日には、日本の開発経験を学ぶ機会を国外に広げるためのプログラム「JICAチェア」が同校で実施され、キャンパス設計に携わった専門家3名(藤野陽三氏、大野秀敏氏、川添善行氏)による特別講義が行われました。
講義では、日本の建築学の歴史のほか、IITHキャンパス設計に込めた想いや意図(例えば最新の実験設備・機器を備えた「総合研究センター」の卵型の設計は、インドの未来を担う研究者の「卵」の孵化の場所であってほしい等)について、IITH学生向けに熱いメッセージを送りました。

IITH総合研究センター

IITH総合研究センター

JJICAチェアの様子

JICAチェアの様子(左から、斎藤JICAインド事務所所長、藤野城西大学学長、ムルティIITH学長、大野株式会社アプル・デザインワークショップ代表取締役所長、川添善行東京大学准教授、Onker IITHデザイン学部教授、斎藤在印日本大使書記官)

また、JICAはこうしたハードインフラの支援だけでなく、2012年から進行中の技術協力プロジェクト「日印産学研究ネットワーク構築支援プロジェクト(英題:Future Researchers at the Indian Institute of Technology:“FRIENDSHIP”プロジェクト)の下、IITHと日本の学界・産業界との共同研究プロジェクトの推進、大学院生の日本への留学支援を通じた人的交流の促進等も行っています。

インドにおける理工系大学の最高峰にあるIITHと、日印関係の更なる深化にとって節目となる日を祝いつつ、JICAは今後もIITHとの連携を通して、産業界をリードできる人材の育成の促進に取り組んでいきます。

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