マナビ県における博物館免震機材整備計画供与式典開催:地震多発国エクアドルにおける文化財の損害予防を支援

2024.04.26

4月16日、エクアドル共和国(以下「エクアドル」)マナビ県マンタ市において、一般文化無償「マナビ県における博物館免震機材整備計画」によって整備された免震構造の展示機材の供与式が開催されました。

供与式の様子(左から三浦JICAエクアドル事務所長、森下在エクアドル特命全権大使、ノボア大統領、ムーニョス文化遺産大臣、ウレタ・シウダード・アルファロ原子力博物館長)

マンタ国立博物館・文化センターで展示品の解説を受けるノボア大統領(右奥)

エクアドル・日本両国の政府・事業関係者が参加した式典には、エクアドル側からはノボア大統領、ムーニョス文化遺産大臣、バルディビエソ・マンタ市長ら、日本側からは、森下在エクアドル特命全権大使、三浦JICAエクアドル事務所長らが出席しました。

エクアドルには古いアンデスの歴史を伝える多様かつ貴重な文化遺産が多く存在しており、同国政府は近年、これら遺跡の文化保存の重要性を再認識し、文化財保存・理解促進を推進しています。一方、エクアドルは環太平洋地震帯に位置する地震多発国でもあり、2016年4月にマンタ沖で起きたマグニチュード7.8の地震では、マナビ県の国立博物館2か所を含む広範囲の地域が甚大な被害を受けました。同国における文化財被害の対応と予防についての知見は限られており、貴重な文化財の損害予防が課題となっています。

一般文化無償「マナビ県における博物館免震機材整備計画」は、2016年の地震にて甚大な被害を受けたマナビ県のマンタ国立博物館・文化センター(マナビ県マンタ市)及びオハス・ハボンシーリョ考古学博物館(同県ポルトビエホ市)において、文化財の展示及び保存にかかる免震機材を整備するものです。本事業は、日本の防災技術を活用して免震構造をもつ展示ケースと移動棚を整備することにより、市民にとってより安全な文化施設の提供を可能にするもので、災害からのより良い復旧(Build back better)と文化財の災害脆弱性の改善が期待されます。

式典参列者が視察を行ったオハス・ハボンシーリョ考古学博物館

式典参列者が視察を行ったオハス・ハボンシーリョ考古学博物館

オハス・ハボンシーリョ考古学博物館での視察

オハス・ハボンシーリョ考古学博物館での視察

式典においてノボア大統領は、エクアドル初の免震構造の展示機材が設置されたことは同国にとって重要なマイルストーンとなり、文化財の保護だけでなく、将来の世代による歴史理解の促進に貢献するものとして期待を述べました。また、実現を支援した日本政府に対し感謝の言葉が寄せられました。

日本は「環境保全・防災」を当国への援助方針の重点分野の1つとしており、JICAでは、本事業のほか「災害に強い街づくり強化・普及」や「土砂災害リスク減少能力向上プロジェクト」等の技術協力も並行して行っており、今後も当国の防災分野への協力を推進していきます。

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