田中理事長が国連第9回STI フォーラムに参加

2024.05.21

田中明彦JICA理事長は、5月9日、米国ニューヨーク国連本部で開催された第9回STI フォーラム(SDGsのためのSTI(Science, Technology and Innovation)に関するマルチ・ステークホルダー・フォーラム)に出席しました。JICA理事長の国連STI フォーラムへの出席は今回が初めてです。

田中理事長は開会式・閣僚級セッションの後、テーマ別セッション1「すべての地域におけるSDGsに関連した研究とイノベーションのためのより多くより効果的な資金と能力(SDGs17)」にパネリストとして登壇しました。

※STIフォーラムは、持続可能な開発目標(SDGs)達成のために科学・技術・イノベーション(STI)の活用を支援するため、国連機関、市民社会、学術界、民間セクターなど様々な科学技術コミュニティから幅広いステークホルダーが集まり、それぞれの専門分野で積極的に貢献することが期待されています。また、SDGsのための技術開発、移転、普及を促進するために、ネットワークの構築を促進し、科学と政策の接点を改善する場となっています。

STIフォーラムの様子

STIフォーラムの様子

理事長は、「持続可能な開発に関するグローバル・レポート」(GSDR 2023)が示すSTIの重要な指針(政府や開発援助機関によるイノベーションの創発段階の支援、科学、政策、社会の接点を強化するパートナーシップの構築)への全面的な賛同を表明しました。その上で、パートナーシップやイノベーションを促進するためには、「開発のためのSTI (STI for Development)」から「開発におけるSTI (STI in Development)」へ意識の持ち方の転換が必要と指摘しました。この指摘の背景にある考え方は、よりよいSTI (Better STI)とは、開発の文脈に沿って、開発途上国と先進国双方の研究者と開発事業の実務者が連携してこそ実現するという考えです。JICAの科学技術・イノベーションに関する協力方針はこの「開発におけるSTI (STI in Development)」の考え方を基礎としています。

そして、理事長は、SDGsに関連する研究やイノベーションに必要な資金を確保し、研究の革新性・有効性を高めるためには開発援助機関と研究資金配分機関がより密接に連携する必要があると指摘し、2008年からJICAが国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人日本医療研究開発機構と共同実施している地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)を紹介しました。

また、STIに関する能力構築については、途上国自身がイノベーションを創出できるように、人材育成、人材ネットワーク、研究施設整備、国際共同研究から社会実装までを一貫して支援することが重要であると主張しました。さらに、先進国の研究者に対しても、開発課題をより深く理解し社会インパクトにつながる知識の創出を行えるような能力構築が必要と主張しました。さらに、国連の技術円滑化メカニズム(TFM: Technology Facilitation Mechanism)の強化策として、国連専門機関と各国の研究機関だけでなく、国際開発金融機関、各国の開発援助機関、研究資金配分機関、そしてこれらの公的機関の触媒機能を活用しながら、民間企業の積極的な参加を促すよう訴えました。

「開発におけるSTI (STI in Development)」の考えや開発途上国、先進国、そして、開発援助機関、研究資金配分機関、民間企業との連携促進について、数多く参加者から賛同がありました。

JICAは、 今年70周年を迎える日本のODAの実施機関として、SDG17「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」を念頭に置き、地球規模課題の解決に向けて、国際頭脳循環による次世代のイノベーションを担う人材育成と途上国、先進国の大学、研究機関、研究資金配分機関、民間企業等との共創(co-creation)に尽力します。

国連の「10人委員会」の共同議長・エルゼビア社研究ネットワーク部門シニア・バイス・プレジデントCarlos Henrique Brito Cruz氏、同委員・東北大学副学長小谷元子先生との意見交換

国連の「10人委員会」の共同議長・エルゼビア社研究ネットワーク部門シニア・バイス・プレジデントCarlos Henrique Brito Cruz氏、同委員・東北大学副学長小谷元子先生との意見交換

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