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インドネシア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:マングローブの持続可能な管理による気候変動対策を支援

#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs
#14 海の豊かさを守ろう
SDGs
#15 陸の豊かさも守ろう
SDGs

2024.09.03

国際協力機構(JICA)は、9月3日、デンパサールにて、インドネシア共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「気候変動への生態系に基づく適応のためのマングローブの持続可能な管理能力強化に関するプロジェクト」に係る討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

JICAのインドネシアにおけるマングローブ協力の歴史は長く、2003年に設立されたバリのマングローブ情報センター(MIC)を拠点に、マングローブ管理に関する能力強化に取り組んできました。熱帯・亜熱帯地域の沿岸域潮間帯に生育するマングローブ林は、様々な漁業資源や森林資源を供給するだけでなく、津波や高潮から沿岸に暮らす人々を守る防災・減災機能を備えるとともに、単位面積当たりでは陸域の森林を上回る炭素貯留量を誇ります。近年は、効果的な気候変動緩和・適応の手段としてマングローブが注目されていますが、世界のマングローブ林は様々な破壊の脅威にさらされ、1980年からの40年間でおよそ400万haが減少しました(FAO統計)。世界最大のマングローブ保有国であるインドネシアにおいても、主にエビ養殖池への転用によって多くのマングローブ林が失われた結果、生物多様性や生態系サービス機能が低下し、沿岸域住民の被災リスクが高まっています。インドネシア政府は、マングローブ保全を自国の気候変動に対する重要な施策と位置付け、関連の政策や取り組みの強化に努めています。

署名式の様子

署名式の様子

本事業は、インドネシアにおいて、生態系を活用した気候変動適応(Ecosystem-based Adaptation(EbA))の観点からマングローブを持続的に管理する能力の向上を目的として、EbAに関するMICの機能を強化し、EbAと持続的なマングローブ管理のための科学情報に基づく政策提言を行います。また、気候変動に対する環境・社会的強靭性の強化につながる持続可能なマングローブ管理モデルを構築し、さらには、インドネシア政府が設立を計画しているワールドマングローブセンターを支援します。これらにより、インドネシア沿岸域の気候変動に対する強靭性強化に寄与するものです。本事業は、SDGゴール13(気候変動に具体的な対策を)、ゴール14(海の豊かさを守ろう)及びゴール15(陸の豊かさも守ろう)に貢献します。

案件の詳細は以下のとおりです。

案件基礎情報

国名 インドネシア共和国
案件名 気候変動への生態系に基づく適応のためのマングローブの持続可能な管理能力強化に関するプロジェクト
実施予定期間 36ヵ月
対象地域 ジャワ、バリ、ヌサトゥンガラ
具体的事業内容(予定) 生態系を活用した気候変動適応策としてのマングローブの持続的管理の能力向上を目指し、マングローブ管理に関わる組織や人材の能力強化、沿岸域の脆弱性・強靭性を評価するための科学情報基盤整備、マングローブの保全と持続的利用のための社会林業モデルの構築を行う。

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