田中理事長が米国を訪問:世銀、IMF、米国の政府機関等と面談
2024.10.03
田中明彦JICA理事長は、9月17日から21日にかけて米国を訪問し、国際機関や米国の政府機関の代表らと、開発課題や地球規模課題への対応などについて議論を行うとともに、シンクタンクでの講演などで国際協力70周年を迎えた日本の開発協力について発信しました。
世界銀行(世銀)グループとの間では、ハイレベル対話“Deep Dive”を通じ、本部と現場レベルでの連携強化に向けて議論しています。アジェイ・バンガ総裁との面談では、グローバル・ヘルス、民間セクターファイナンスという2つの重点テーマや東南アジア諸国での連携成果を確認し、連携継続と一層の深化に合意しました。また、今後アフリカおよび大洋州での連携も強化していくことに合意しました。
バンガ世銀グループ総裁と
国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事との面談では、アフリカの債務管理能力強化での連携を歓迎しつつ、途上国の低成長や重い債務負担が課題との認識のもと、今後も連携して途上国を支援していくことで一致しました。
ゲオルギエバIMF専務理事と
米州開発銀行(IDB)のイラン・ゴールドファイン総裁との面談では、2024年1月に署名した協力覚書(MOC)により拡充したJICAとIDBの協調融資スキーム「中南米・カリブ地域の経済回復及び社会包摂協力(CORE)」に基づく連携の強化、及び民間セクター向けファイナンスでの協調融資を通じた多層的な連携、防災分野における協働等について意見交換を行いました。
ゴールドファインIDB総裁と
米国際開発庁(USAID)パワー長官との面談では、ウクライナ農業復興支援での連携が民間資金動員に繋がっているとの賛辞がありました。アフリカの農業支援における連携に加え、大洋州地域における連携、回廊支援、鉛中毒の軽減と予防について意見交換を行いました。
パワーUSAID長官と
この他、米国国際開発金融公社(DFC)やミレニアム挑戦公社(MCC)の代表等とも面談しました。
戦略国際問題研究所(CSIS)でのイベント「混沌の世界における開発協力の未来」において、田中理事長は、基調講演を行いました。講演では、分断された世界における開発協力の有効性を高めるポイントについて、インドデリー高速輸送システム建設、市場志向型の農業新興アプローチ(SHEP)、フィリピン・ミンダナオでの平和構築等への協力事例に触れながら、相手国のオーナーシップ、人材開発とエンパワーメント、長期間にわたるコミットメントの重要性を指摘しました。さらに、現在の困難な情勢下で米国等と連携して持続的な開発に貢献していくことを発信しました。
ウィルソンセンターでのラウンドテーブルでは、日本の開発協力の歴史や特徴について振り返りつつ、対立と分断の時代における開発協力の役割やインド・太平洋地域の国々との今後の関わり方について、有識者と意見交換を行いました。
CSISでのイベントにて
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