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コパン遺跡博物館展示機材整備計画完工式典:マヤ文明の世界遺産コパン遺跡の魅力をより身近に感じることができる近代的な地域博物館が整備され、ホンジュラスの文化遺産の保存に貢献することが期待されます

2024.10.11

9月27日、ホンジュラス共和国(以下「ホンジュラス」)西部のコパン県コパンルイナス市において、一般文化無償「コパン遺跡博物館展示機材整備計画」の完工式が執り行われました。内装(ホンジュラス側負担)と展示(主に日本側負担、一部ホンジュラス側負担)が一新されたマヤ考古学地域博物館が、約5年ぶりに改装オープンしました。

無償資金協力により、特殊展示ケース、体験型教育用VR(仮想現実)装置、オーディオガイド機器、博物館用照明装置等が整備され、訪問者は、これまで研究所の倉庫で厳重に保管されてきた国宝級の発掘品の展示物を間近で見たり、一般非公開の遺跡のトンネル内をVRで探索したりすることができるようになりました。

VRコンテンツの制作にあたっては、これまで40年近く現地で遺跡の発掘・保存及び考古学研究の協力を続けてきた日本の大学の研究チームが有するデータと、日本企業が持つ高度なコンピューティング技術のコラボが結実し、それにより、コパン遺跡の重層的な地下内部を遊歩しながら文化遺産の素晴らしさを見て周る疑似体験が可能になりました。

(注:VRコンテンツの制作は大使館の見返り資金による支援)

地元住民が見守る中で開かれた式典では、国立歴史人類学研究所(IHAH)所長およびコパンルイナス市市長から日本の協力に対する謝辞が述べられたほか、これをきっかけにより多くのホンジュラス人が歴史文化に関心を持つようになり、未来の研究者の育成や地域観光振興につながるよう、多くの参列者から期待が述べられました。

日本側からは中原ホンジュラス特命全権大使、篠JICAホンジュラス所長、公立小松大学の中村教授が出席し、コパン地域の社会経済の持続的な発展や学術振興・研究における二国間のパートナーシップを重視している旨が強調されました。

またこの式典に先立ち、同じくコパンルイナス市で実施されるJICA草の根技術協力「エコミュージアム構想による市民参加型まちおこし支援プロジェクト」の実施合意書が署名されました。かかるプロジェクトでは、コパンルイナス市において、地域の多様な文化・自然資源を活用する市民参加型の「まちおこし」を通じて、地域住民の生活向上につながる新たな観光開発の仕組みを構築することを目標としています。

公立小松大学大学院サステイナブルシステム科学研究科の特別招聘教授であり、次世代考古学研究センター長の中村教授は、公立小松大学の山本学長からの書簡を代読し、コパンルイナス市に対する親愛の意およびこのプロジェクトにかける熱い想いを伝えました。

2025年はホンジュラスと日本の外交樹立90周年の節目にあたります。市民や学生レベルの交流が活発化され、両国の相互理解及び友好関係構築に寄与することが期待されます。

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マヤ文明地域博物館前における完工式典テープカット後の様子(左から、ホンジュラス中央銀行ラモス副総裁、コパン県バジェ知事、ホンジュラス歴史人類研究所カニサレス所長、中原大使、クエラール国会議員、JICA篠所長、チェベス観光副大臣、コパンルイナス市アリアス市長、小松大学次世代考古学研究センター中村センター長)

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式典でスピーチを行う篠JICA事務所長
(イベント時)

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中原ホンジュラス特命全権大使

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IHAHカニサレス所長

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コパンルイナス市アリアス市長

博物館内の様子:日本側の専門家の協力により、展示・照明・説明にも、ホンジュラスでは画期的な、博物館学の展示手法が取り入れられた。

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オープン前の最終段階にて、内装・展示の共同作業にあたる両国の研究者

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VRの設置にあたり、運用とトラブルシューティングを博物館担当者に指導する日本側の技術者

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草の根技術協力のミニッツ署名を取り交わした関係者(左から、中原大使、JICA篠所長、コパンルイナス市アリアス市長、小松大学中村誠一教授)

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