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ヨルダン「ペトラにおける観光開発マスタープラン」が完成: UNESCO世界文化遺産ペトラの持続可能な観光開発を支援

2024.12.13

UNESCO世界遺産であるペトラの持続的な観光開発を目指してJICAが策定を支援してきた「ペトラ観光開発マスタープラン」が完成し、2024年12月12日、ヨルダン・ハシェミット王国(以下、「ヨルダン」)の首都アンマンにて発表されました。

JICAは、2021年3月から4年間の予定で、ヨルダンのペトラ開発観光庁とともに技術協力プロジェクト「ペトラにおける観光開発マスタープラン策定プロジェクト」を実施しています。ペトラは、UNESCO世界文化遺産に登録されたヨルダン最大の観光地の一つです。一方、近年、観光客の増加に伴うオーバーツーリズム(観光公害)や環境社会面のリスクが高まり、更に遺跡観光以外の観光商品の開発が必ずしも十分ではないことから、観光客一人当たりの平均宿泊数が短く、観光消費額も相対的に少ない状況でした。また、最近ではCOVID-19や近隣地域の情勢からも大きな影響を受けています。2021年に開始した当プロジェクトでは、観光商品の開発や官民の観光関係者への意識啓発等、パイロット事業(実証実験)で実証された効果を踏まえ、ペトラ観光の付加価値を最大化し、ペトラにおいて持続可能な形で観光地を開発することを目指しています。

具体的には、観光開発マスタープランでは、バリューチェーンの考え方を観光セクター開発に応用し、① 観光地経営(デスティネーションマネジメント)、② 研究・開発、③ 商品開発、④ 流通・販売、⑤ 観光サービスの五つのプロセスを対象に体系的かつ総合的な観光開発を実施する計画です。

特に、本観光開発マスタープランは、「WE ARE PETRA」のスローガンの下、ペトラの6つのコミュニティ全ての人々を巻き込み、伝統と文化をまもり、次の世代に継承することをビジョンに掲げています。

発表は、プロジェクトの合同調整員会の場で行われ、ヨルダン側からペトラ開発観光庁(PDTRA)のファリス長官はじめ、観光セクターの主要な民間団体、他ドナーの代表者らが出席、日本側からは、鈴木崇浩JICAヨルダン事務所次長らが出席しました。
PDTRAのファリス長官からは、ペトラ博物館の建設をはじめとする長年のJICAの協力に対し、感謝の言葉が述べられ、今後も両国の連携を深めていきたい、との発言がありました。
JICA鈴木次長からは、PDTRAと共にUNESCO世界遺産であるペトラにおける観光開発マスタープランを策定できたことに光栄に思う。今後も日本のODA及び日本の経験を活用しながら、ヨルダンの質の高い成長を支援し続けていきたい、旨の発言がありました。
なお、日本政府/JICAは、これまでも、無償資金協力(2013-2020)及び技術協力(2015-2020)により、ペトラ博物館の建設及び開館を支援し、観光地としての魅力向上に貢献しています。

ペトラ遺跡エル・ハズネ前で開催したマスタープラン発表式典の様子

観光地経営のパイロット事業で実施したローカルマーケットの様子

商品開発のパイロット事業で開発した体験型プログラムの様子

流通・販売のパイロット事業で実施した国際FAMトリップの様子

観光サービスのパイロット事業で実施したアクセシブルツーリズム研修の様子

第4回合同調整委員会の様子

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