エジプト向け円借款貸付契約の調印: 地下鉄の整備を通じ交通渋滞と大気汚染の緩和に貢献
2025.09.30
国際協力機構(JICA)は、9月24日、エジプト・アラブ共和国政府との間で、「カイロ地下鉄四号線第一期整備事業(IV)」を対象として、円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。当日の署名は、エジプト・アラブ共和国副首相兼産業・運輸省のカーメル・エルワジール大臣と、JICA エジプト事務所の海老澤陽所長の間で取り交わされました。事業概要は以下の通りです。
署名式の様子
案件概要
・国名
(対象地域)
エジプト・アラブ共和国(大カイロ都市圏南西部)
・事業目的
本事業は、大カイロ都市圏南西部(6th of October City(エル・アシュガール駅)とカイロ都心部(エル・フスタット)間)に地下鉄道を建設することにより、増加する交通需要への対応と深刻化する交通渋滞の緩和を図り、もって同国経済の発展に寄与するもの。
・事業内容
建設工事、電気・機械設備の整備、信号・通信設備の整備、車両調達、コンサルティング・サービス等
・借款金額(上限)
1,000億円
・金利
0.75%
・償還期間
40年(うち据置10年)
・調達条件
日本タイド
・実施機関
運輸省トンネル公団
・
SDGs
達成への貢献
ゴール 9(産業と技術革新の基礎をつくろう)
ゴール 11(住み続けられるまちづくりを)
ゴール 13(気候変動に具体的な対策を)
・今後の事業実施
スケジュール
(予定)
1. 事業の完成予定時期:2030年3月(運転開始時を以て事業完成)
2. コンサルティング・サービス:契約済み
3. 本体工事にかかる国際競争入札による最初のパッケージの入札:契約済み
<STEP>
なお、本円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用され、本事業で整備される地下鉄には日本のシステムや車輛が導入される予定です。
(注)Special Terms for Economic Partnershipの略。わが国の優れた技術やノウハウを活用した途上国への技術移転を通じて、わが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件。主契約は日本タイド、下請けは一般アンタイド。なお、主契約者は、本邦企業、海外に存する本邦企業の子会社、本邦企業と借入国との共同企業体(JV。本邦企業がリードパートナー)のいずれかであることが必要。また、一定の条件下において、本邦企業と本邦企業の持分法適用会社とのJV(本邦企業がリードパートナー)も主契約者となることが可能。
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