田中理事長がエジプトを訪問
2025.11.12
田中明彦JICA理事長は、10月30日から11月3日にかけてエジプト・アラブ共和国を訪問し、11月1日に開催された大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum: GEM)公式開館式典への参列をはじめ、マドブーリー首相、アブルナガ大統領補佐官、アルマシャート計画・経済開発・国際協力大臣、シェリフ・ファティ観光考古大臣、アブデルラティーフ教育・技術教育大臣など政府要人と会談やJICA事業の視察を行いました。
GEM入館の芳名帳に記名する田中理事長(右)とゴネイムGEM館長(左)
GEM公式開館式典の舞台にて、ゴネイムGEM館長と田中理事長
GEM公式開館式典の写真(ツタンカーメン王のドローンアート)
GEMに設置されたODAの完工プレート前にて(左から海老澤エジプト所長、田中理事長、ファティ観光・考古大臣、ゴネイムGEM館長、加藤理事長室長)
GEM公式開館式典では、世界各国から招待された要人とともに、その開館を盛大に祝いました。エルシーシ大統領からはスピーチの冒頭で「日本の支援を決して忘れない」と感謝の言葉が寄せられました。GEMは、単一文明を扱う博物館としては世界最大の規模を誇ります。JICAは2006年から、円借款による建設支援に加え、展示遺物の保存・修復、展示、博物館運営に関する技術協力などGEMの開館に向けた多面的な支援を行ってきました。今回の公式開館を契機に、世界中からさらに多くの観光客が訪れることが見込まれます。田中理事長は「人類の歴史について興味をもつ全ての人が、訪れなくてはいけないと思うような博物館に育ってほしい」とエールを送りました。
マドブーリー首相とアルマシャート計画・経済開発・国際協力大臣等との面談
マドブーリー首相およびアルマシャート計画・経済開発・国際協力大臣との会談では、田中理事長は、GEMの公式開館に対する祝意を表明するとともに、長年にわたりJICAがエジプトと信頼関係を築いてきたことに触れ、今後もエジプトの持続的な発展に貢献していきたいと伝えました。マドブーリー首相からは、70年以上にわたるエジプトへの支援について、日本は素晴らしい友人・パートナーであるとの謝辞が寄せられました。
田中理事長はエジプト日本科学技術大学(Egypt-Japan University of Science and Technology: E-JUST)にて、学生や教職員等合計300人以上を対象に「JICAと人間の安全保障」をテーマに講義しました。不安定な中東情勢下にあるエジプトにおいて、JICAの実践事例を紹介しつつ、教育によるエンパワメントの重要性を訴えました。講義後の質疑応答では、アフリカやガザ出身の留学生からJICAとE-JUSTによるパレスチナ出身者向け奨学生プログラムへの感謝が伝えられました。
E-JUSTでの講義
そのほか、2024年に完工したアレキサンドリア国際空港ターミナル、カイロメトロ4号線建設現場、1982年に日本が建設支援したカイロ大学付属小児病院、エジプトの柔道ナショナルチームを指導するJICA海外協力隊などの事業現場を視察しました。
カイロメトロ4号線
カイロ大学付属小児病院
エジプトナショナルチームで活動するJICA海外協力隊員
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