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スリランカにおけるサイクロン被害に対する 国際緊急援助隊・医療チームが帰国 ~現地支援の様子や診療実績などを報告~

2025.12.17

独立行政法人国際協力機構(JICA)は、スリランカ民主社会主義共和国(以下、スリランカ)におけるサイクロン被害を受け、外務大臣の派遣命令の元、国際緊急援助隊(JDR)医療チームを現地に派遣しました。12月3日(水)に羽田空港を出発した医療チームは、大きな被害を受けたスリランカ中西部の町チラウでの12日間の支援活動を終え、12月16日(火)、派遣されていた31名全員が無事に帰国しました。

成田空港にて執り行われた解団式において、岩瀬喜一郎団長(外務省)は「朝には深刻な表情で列に並んでいた患者の方々が、診療後には笑顔で帰っていく姿が非常に印象的でした。地元チラウでの日本理解の促進、日本とスリランカの関係の深化に、確実に貢献できたと考えています」と述べました。現地では12月4日から12月14日までに1,255件の診療が行われました。診療テント内は40度を超えることもあり、猛暑や突然の大雨でテントが浸水するなど厳しい環境下での活動となりました。

今回、サイクロンが抜けきらない早期の段階で、スリランカ政府から日本政府に派遣要請がありました。これに対して、JICA国際緊急援助隊事務局の飯村学事務局長は「過去を振り返ると、国際緊急援助隊はこれまでに3回スリランカに展開しています。スリランカも、東日本大震災では日本に支援の手を差し伸べてくれましたし、2010年1月のハイチ地震では現地で協力しあうなど、人道支援でも深い絆があると思いました。今回後続チームを派遣する選択肢もありましたが、現地の医療機能が回復してきていることから、国際緊急援助隊による支援はいったんここまでとする判断となりました」と述べました。

解団式に出席したピヴィトゥル・ジャナック・クマーラシンハ駐日スリランカ民主社会主義共和国特命全権大使は、「近年の私たちの歴史において最も困難な時期に示してくださったゆるぎないご支援に対し、心から感謝申し上げます。国際緊急援助隊の活動は、幾多の災害を乗り越えてきた経験を共有し相互の助け合いで結ばれた二つの島国、日本とスリランカの深い友情と信頼の証です。スリランカ国民は隊員の皆さんの優しさとプロ意識を長く記憶に留めることでしょう」と語りました。

解団式に臨む国際緊急援助隊

現地での診療の様子

現地での診療の様子

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