フィリピン向け円借款貸付契約の調印:マニラの地下鉄およびミンダナオの高規格道路整備により、渋滞緩和や都市の連結性強化による経済活性化に貢献
2026.03.27
国際協力機構(JICA)は、3月27日、フィリピン共和国の首都マニラにて、同国政府との間で、「マニラ首都圏地下鉄事業(フェーズ1)(第四期)」および「中央ミンダナオ高規格道路整備事業(カガヤン・デ・オロ-マライバライ区間)(E/S)」を対象として、円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。当日の署名は、フィリピン共和国のフレデリック・ゴー財務大臣と、JICAフィリピン事務所の馬場隆所長の間で取り交わされました。
署名式の様子
フィリピンには1,600社以上の日系企業が進出し、ルソンからミンダナオまで幅広く拠点を構えています。都市交通や地域間物流の効率化は、こうした企業活動を支える重要な基盤です。両事業の整備は、渋滞緩和や連結性向上を通じてサプライチェーンの強靭化や投資環境の改善に寄与し、日比双方の経済関係の一層の強化にもつながるものです。
今回調印した円借款貸付契約が対象とする事業の概要は、以下のとおりです。
案件概要
・国名
(対象地域)
フィリピン共和国(マニラ首都圏:人口約2,470万人)
・事業目的
マニラ首都圏において地下鉄を整備することにより、増加する輸送需要への対応を図り、もってマニラ首都圏の深刻な交通渋滞の緩和と大気汚染及び気候変動緩和に寄与するもの。
・事業内容
1)土木工事・施設・機器等:駅間・駅部分の土木・建築工事、車両基地およびフィリピン鉄道訓練センターの整備、鉄道システムの整備、車両240両の調達
2)コンサルティング・サービス(入札補助、施工監理、実施機関の能力強化(鉄道開発、設計、運営・維持管理等に係る能力開発、知識共有および技術移転)、公共交通指向型開発の実施支援等。
・借款金額(上限)
2,200億円
・金利
本体:0.8% コンサルティング・サービス0.8%
・償還期間
40年(うち据置10年)
・調達条件
日本タイド
・実施機関
運輸省
・
SDGs
達成への貢献
ゴール 9 (産業と技術革新の基礎をつくろう)
ゴール 11(住み続けられるまちづくりを)
ゴール 13(気候変動に具体的な対策を)
・今後の事業実施
スケジュール
(予定)
事業の完成予定時期:2031年10月
コンサルティング・サービス(詳細設計等)に係る招請状送付予定時期:2018年11月(雇用済)
本体工事にかかる国際競争入札による最初のパッケージの入札公示:
調達パッケージ名:CP101(土木・建築)パッケージ
予定時期:2018年2月(契約済)
なお、本円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用され、地下トンネル掘削および狭隘空間での施工では、日本企業が得意とする高精度かつ安全性の高い施工技術が活用され、信号システム、軽量で省エネルギー性能の高い車両にも日本の技術が導入される予定です。
案件概要
・国名
(対象地域)
フィリピン共和国(ミンダナオ島東ミサミス州、ブキドノン州)
・事業目的
本事業は、ミンダナオ島において、主要都市であるカガヤン・デ・オロ市とダバオ市を結ぶ中央ミンダナオ高規格道路のうち、カガヤン・デ・オロ市-マライバライ市区間を整備することにより、両都市の連結性および走行性の強化・改善を図り、もってミンダナオ地域の経済活性化及び社会開発に寄与するもの。本円借款対象部分は上記事業のカガヤン・デ・オロ市内区間の詳細設計、入札補助等に係るエンジニアリング・サービスを対象とし、本事業の円滑な実施促進を図るもの。
・事業内容
1)土木工事:長大橋を含む4車線(片側2車線)の高規格道路約65km(内、カガヤン・デ・オロ市内区間の約12km(セクション1)はJICAによる融資、残りの区間約53km(セクション2-5)はアジア開発銀行(ADB)等による融資を想定)
2)コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理、運営・維持管理能力向上支援、環境社会配慮等)
本借款では、本体工事に先立ち、コンサルティング・サービスのうち、セクション1に係る詳細設計を対象とする。セクション2-5の詳細設計はADB融資による「Infrastructure Preparation and Innovation Facility, Second Additional Financing」(L/A調印:2023年12月)にて実施予定。
・借款金額(上限)
16億7,200万円
・金利
コンサルティング・サービス 0.80%
・償還期間
40年(うち据置10年)
・調達条件
日本タイド
・実施機関
公共事業道路省
・
SDGs
達成への貢献
ゴール8 (働きがいも経済成長も)
ゴール9 (産業と技術革新の基礎をつくろう)
・今後の事業実施
スケジュール
(予定)
事業の完成予定時期:2028年11月(貸付完了を以て事業完成)
コンサルティング・サービス(詳細設計等)に係る招請状送付予定時期:2026年3月
なお、本円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用され、高橋脚施工では、鋼コンクリート合成構造、高橋脚用ハーフプレキャスト、深礎杭等に日本の技術が活用される予定です。
(注)Special Terms for Economic Partnershipの略。わが国の優れた技術やノウハウを活用した途上国への技術移転を通じて、わが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件。主契約は日本タイド、下請けは一般アンタイド。なお、主契約者は、本邦企業、海外に存する本邦企業の子会社、本邦企業と借入国との共同企業体(JV。本邦企業がリードパートナー)のいずれかであることが必要。また、一定の条件下において、本邦企業と本邦企業の持分法適用会社とのJV(本邦企業がリードパートナー)も主契約者となることが可能。