インドネシア向け円借款貸付契約の調印:地熱発電所建設を通じた気候変動緩和への貢献および投資・貿易環境改善に向けた財政支援を実施
そしてクリーンに
2026.03.30
国際協力機構(JICA)は、3月30日、インドネシア共和国の首都ジャカルタ市にて、同国政府との間で、「フルライス地熱発電事業」及び「競争力・産業近代化及び貿易促進プログラム・サブプログラム3」を対象として、円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。当日の署名は、インドネシア財務省予算金融リスク管理総局のスミント総局長と、JICAインドネシア事務所の竹田幸子所長の間で取り交わされました。
日本はこれまで長年にわたり、ODAを通じてインドネシアの持続的な成長と社会経済の安定を後押ししてきました。インドネシアはASEAN地域の発展と安定において重要な役割を担っており、国際社会の課題解決に取り組む日本にとって心強いパートナーです。
フルライス地熱発電事業は、日本が技術で世界をリードしてきた地熱発電分野での協力案件であり、インドネシアにおける供給電力の増大及び気候変動の緩和に貢献するとともに、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」(※1)や「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」(※2)を推進するものです。
競争力・産業近代化及び貿易促進プログラム・サブプログラム3では、インドネシア国内の投資・貿易環境の改善を通じてインドネシアのビジネスの活性化に貢献します。インドネシアに進出する日本企業は1,600社を超え、ASEANではベトナム、タイに次ぐ規模となっており、同国に進出する日本企業のビジネス環境の改善も期待されます。
(※1) 「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」とは、インドネシアをはじめとするアジア各国が脱炭素化を進める理念を共有し、エネルギートランジションを進めるために協力することを目的として、日本が2022年1月に提唱した枠組みです。AZECの枠組みを通じ、日本の多様な脱炭素技術やファイナンスを活用しながら、地域及び世界の脱炭素化に貢献しています。
(※2) 「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」とは、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を支援するため、G7各国やアジア開発銀行等主要ドナーが協力して政策・資金支援を行う国際枠組みです。インドネシアでは2022年に、インドネシア政府と日本・米国等のパートナー国が共同声明に合意し、JETPが正式に開始されました。現在は、日本とドイツが共同リード国として、インドネシアに対し、再エネ導入拡大、電力系統整備、石炭火力の段階的廃止などの移行プロセスを後押ししています。
今回調印した円借款貸付契約が対象とする事業は以下のとおりです。
案件概要
・国名
(対象地域)
インドネシア共和国(ブンクル州)
・事業目的
インドネシア・ブンクル州において、フルライス地熱発電所を建設し、スマトラ系統に接続することにより、同系統における供給電力の増大及び安定性の改善を図り、もってスマトラ地域の生活水準の向上、投資環境の改善等を通じた同地域の経済発展及び気候変動の緩和に寄与するもの。
・事業内容
ア)地熱発電所建設2基建設
イ)送変電設備建設
ウ)コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理、環境社会配慮支援等)
・借款金額(上限)
291億5,600万円
・金利
本体:0.3% コンサルティング・サービス0.01%
・償還期間
30年(うち据置10年)
・調達条件
一般アンタイド
・実施機関
インドネシア国営電力公社(PLN)
・
SDGs
達成への貢献
ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)
ゴール13(気候変動に具体的な対策を)
・今後の事業実施
スケジュール
(予定)
事業の完了時期:2030年
・国名
(対象地域)
インドネシア共和国(インドネシア全土)
・事業目的
インドネシアにおいて、ビジネス・投資環境の改善等に対する財政支援を行うことにより、民間投資の促進を図り、もって当国の経済・社会の安定及び開発努力の促進に貢献するもの。
・事業内容
財政支援を通じ、投資及び貿易の促進に向け、インドネシア関係省庁の間で合意・設定した「1. 円滑なビジネス環境の創造」、「2. 貿易障壁の緩和」、「3. 企業の成長と事業拡大」の3つの分野を柱とする政策・制度の改善及びその着実な実施を後押しする。
・借款金額(上限)
500億円
・金利
2.20%
・償還期間
15年(うち据置5年)
・調達条件
一般アンタイド
・実施機関
経済調整大臣府
・
SDGs
達成への貢献
ゴール1(貧困をなくそう)
ゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)
ゴール8(働きがいも経済成長も)
ゴール10(人や国の不平等をなくそう)
ゴール13(気候変動に具体的な対策を)
・今後の事業実施
スケジュール
(予定)
事業の完成予定時期:2026年5月(貸付実行を以て事業完成)
なお、本事業はアジア開発銀行(ADB、融資予定額5億ドル)、ドイツ復興金融公庫(KfW、融資予定額4億ユーロ)との協調融資であり、緊密に連携して実施します。