中東・欧州及び東・中央アジア地域「民間セクター促進基金」に対する基本合意書の調印(海外投融資):欧州復興開発銀行に設置する基金への出資を通じ、民間企業の取り組みによる同地域のSDGs達成を推進
2026.06.08
国際協力機構(JICA)は、6月6日、ラトビア共和国の首都リーガ市で開催中の欧州復興開発銀行(EBRD)の年次総会の会場において、「民間セクター促進基金」に関する式典に出席し、EBRDとの間で同基金にかかる基本合意書(Letter of Intent)に署名しました。
中東・欧州及び東・中央アジアの開発途上諸国には、経済の多角化、エネルギー安全保障、インフラ整備、中小企業や女性起業家への資金供給、農業生産性の向上などの開発課題があります。特に2020年代に入り、コロナ禍による経済活動の縮小やエネルギー価格の高騰、またウクライナや中東で勃発・長期化しつつある紛争等の影響を受け、これら課題に対する対応が遅れています。
また、これらの地域の開発途上国は、その多くが旧社会主義圏に属し、いまなお自由市場経済への移行を進めていますが、経済成長の原資を外貨建ての対外借入に依存してきた過去の反省から、現地通貨建てによる開発資金のニーズが強くなっています。
本事業は、中東・欧州ならびに東・中央アジア地域の民間部門向け投融資に長年の経験を有し、また日本も第二位の出資国であるEBRDによって今回設立され、運用される基金(Japan-EBRD Initiative for Development Acceleration and Inclusion (JIDAIファンド))に出資するものです。JIDAIファンドは、SDGs達成に向けた民間企業の取り組みに対して、 EBRDが主に現地通貨建てで行う融資・債券取得・保証業務(以下、「融資等」という。)にあわせて、EBRD本体勘定と協調で融資等を行います。JIDAIファンドを通じたJICAによる融資等は、基金設立当初において最大10億米ドルを予定しています。
JICAは海外投融資を活用してJIDAIファンドへの出資を行い、中東・欧州地域及び東・中央アジア地域のSDGs達成に必要な資金ギャップの縮減を図り、同地域における持続的な社会経済の発展に貢献します。また、これら地域でSDGs達成に向けて活動している日系企業やその関連企業の現地通貨建の資金需要の受け皿となることも期待されます。
式典には、 EBRD のブークハート・クーベル・ゾルガーCFO、わが国財務省より三村財務官、JICA原理事が出席しました。
今後もJICAは各国・国際機関と協働しながら、「持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえた開発途上国・地域の経済社会開発に貢献していきます。
署名式の様子(左から:JICAの原理事、日本国財務省の三村財務官、EBRDのクーベル・ゾルガーCFO )
1. 出資先
Japan-EBRD Initiative for Development Acceleration and Inclusion
2. 国名(対象地域)
中東・欧州地域ならびに東・中央アジア地域
3. 出資額
当初最大10億米ドル
4. 案件名
民間セクター促進基金
5. 事業目的
本事業は、中東・欧州および東・中央アジア地域における持続的な開発に資する民間セクター事業に対して、EBRD に設置される基金と EBRD 本体勘定の協調による主に現地通貨建て融資、債券取得、または保証引受を通じて促進することにより、同地域の SDGs 達成に必要な資金ギャップの縮減を図り、もって同地域における持続的な社会経済の発展に寄与するもの。
6. 事業概要
EBRDに設置される基金に対する出資を通じて、中東・欧州および東・中央アジア地域においてEBRDが実施する民間企業への融資に必要となる資金を供給する。
7. SDGs
への貢献
ゴール17 (パートナーシップで目標を達成しよう)