ブラジル「北東部クリーン電力安定供給事業」に対する融資契約の調印(海外投融資): JICA初のサステナビリティ・リンク・ローン及び三菱UFJ銀行とのサステナブルファイナンス・フレームワーク適用1号案件として最貧困地域における質の高い電力供給及び女性電気技師の参画促進に貢献
そしてクリーンに
2026.06.17
国際 協力機構(JICA)は、3月23 日、ブラジル連邦共和国北東部のバイーア州において同国政府から事業権を得て配電事業を展開しているNeoenergia Coelba社との間で、融資契約に調印し、6 月15日に同国のサルバドール市で調印式典を開催しました。
署名式の様子
本融資は、株式会社三菱UFJ銀行との協調融資により実施されます。JICA初のサステナビリティ・リンク・ローン(後述)及び三菱UFJ銀行とのサステナブルファイナンス・フレームワーク適用1号案件(後述)であり、ブラジルの最貧困地域の一つである同州におけるエネルギー利用の効率化を目的とした配電設備の整備に活用されます。
なお、本融資は気候変動(緩和)に資する事業です。2025年11月にブラジルで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)の主催国との協力案件となり、130年を超える外交関係を有し戦略的グローバル・パートナーシップの関係にある日伯間の友好関係の強化が期待されます。また、COP30で発表された、JICAが中南米において気候変動・環境関連分野への民間投資を促進するための「中南米グリーン投資イニシアティブ、通称「MIDORI」(後述)にも寄与する案件です。
・融資先
Neoenergia Coelba
・国名(対象地域)
ブラジル連邦共和国
・融資額
15,607,300,000円
・案件名
北東部クリーン電力安定供給事業
・事業目的
本事業は、借入人による配電システムのデジタル化や女性電気技師の割合増加に関する取り組みに応じて、金利を引き下げるインセンティブを付与しつつ、配電網の整備に必要な設備投資費用を融資することで、電力ロス抑制による省エネルギー化や再生可能エネルギーを主な電源とする同地域の電力の安定供給を図り、もって気候変動対策や電力セクターにおけるジェンダー平等推進に寄与するもの。
・事業概要
JICAの融資資金は、ブラジルのバイーア州における2026年及び2027年の配電網の整備に充てられる。
・SDGsへの貢献
ゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)
ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)
ゴール10(人や国の不平等をなくそう)
ゴール13(気候変動に具体的な対策を)
ゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)
・参考情報
本事業は、JICAの新たな商品である「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の第1号案件として実施されます。SLLは、持続可能な環境や社会を実現するために、借入人が予め設定した目標を達成したか否かに応じて、金利等の融資条件を変動させ、借入人による目標達成を促進するものです。本事業では、SLLの目標として配電システムのデジタル化及び女性電気技師の割合増加を設定することで、借入人による配電オペレーションの効率化や女性比率の低い電気技師におけるジェンダー平等に向けた取り組みを促進します。JICAは本商品の導入により、今後も開発途上国・地域の民間企業と連携しつつ、持続可能な環境や社会を実現に貢献していきます。
また、本事業は、2025年7月に導入された三菱UFJ銀行とJICAの協調融資における「サステナブルファイナンス・フレームワーク」の適用第1号案件でもあります。本フレームワークは、SDGs達成に向けた取り組みとして国際的に認められた各種のサステナブルファイナンス原則(**)に合致・準拠したものとして、独立した外部機関による第三者意見を取得しております。そのため、本フレームワークに基づいて、環境や社会課題の解決に資する事業に対し両行が協調融資する場合には、サステナブルファイナンス原則に適合したグリーンローンやソーシャルローン、サステナビリティローンとして扱うことが可能です。JICAは本フレームワークの導入により、今後も三菱UFJ銀行との連携を積極的に推進し、開発途上国・地域の経済社会の発展に向けた民間資金動員を加速していきます。
(*)サステナブルファイナンス:環境・社会・ガバナンス(ESG)といった観点も踏まえながら、持続可能な経済・社会に必要な課題解決のため、資金を活用するもの。
(**)ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)、ローン・シンジケーション&トレーディング・アソシエーション(LSTA)等が定めるグリーンローン原則、ソーシャルローン原則など。
中南米MIDORI(Mission for Inclusive Development through Responsible Investment )イニシアティブは、2025年11月のCOP30(於:ブラジル)にてローンチされた、中南米・カリブ地域の気候変動分野(再エネ・省エネ、環境、農業、生物多様性、上下水道、廃棄物処理等)におけるJICAの海外投融資を促進するイニシアティブです。
配電網の点検をする女性電気技師
既往変電所の様子