東ティモール「東ティモール太陽光発電事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):同国初の蓄電池付き太陽光発電事業により化石燃料依存からの脱却と気候変動対策に貢献
そしてクリーンに
2026.07.28
国際協力機構(JICA)は、6月19日、東ティモール民主共和国で大規模な太陽光発電所と蓄電システムの建設・運営を行うために設立された特定目的会社である Manatuto Renewables Power S.A.との間で、同国初となる蓄電池付き太陽光発電事業を対象として、約1,220万米ドルを上限とするプロジェクトファイナンスによる融資契約に調印しました。また、7月23日に同国のマナトゥト県で起工式を開催し、ラモス=ホルタ大統領、グスマン首相を含む関係者が出席しました。
起工式の様子
本融資は、国際金融公社(IFC)、アジア開発銀行(ADB)との協調融資として実施するものです。ADBの融資額のうち、約1,060万米ドルはJICAが出資する「アジアインフラパートナーシップ信託基金2 (“Leading Asia’s Private Infrastructure Fund 2”: LEAP 2)」を通じて供与され、またADBの融資額のうち、約1,060万米ドルはカナダ政府が出資する「CANPA(Canadian Climate and Nature Fund for the Private Sector in Asia: CANPA)」を通じて供与されます。
本事業のスポンサーは、伊藤忠商事株式会社の子会社であるI-Environment Investments Pacific PTY. LTDおよびフランス電力公社(EDF)の子会社であるEDF Power Solutions S.A. であり、発電所の開発および運営を行います。
東ティモールは2002年に独立した東南アジアで最も新しい国であり、赤道付近に位置する急峻な山岳地形の多い島嶼国です。同国においては、発電電力量の約99.8%は輸入ディーゼル燃料に依存しているため、国際石油価格や輸送コストの変動といった外部要因の影響を受けやすく、エネルギー安全保障上の脆弱性を抱えています。このため、輸入燃料への依存を低減する電源開発および電源構成の多様化が重要な課題となっています。
こうした背景のもと、本事業は東ティモールのマナトゥト県において、太陽光発電所(73.7MW)および蓄電池(80.2MWh)を含む関連設備の建設・運営を行うものです。本事業は東ティモールにおける初のIPPプロジェクト(独立系発電事業)であり、かつ同国初の系統接続型蓄電池付き太陽光発電事業として位置づけられます。これにより、化石燃料依存からの脱却および温室効果ガス排出削減に貢献するとともに、同国における再生可能エネルギー導入を加速することが期待されます。
また、JICAは東ティモールにおける司法分野支援として、2009年以降、法務省法務総合研究所国際協力部(ICD)と連携し、法制度整備を支援してきました。その成果の一つとして、2025年に「国家所有不動産の管理及び利用に関する法」が制定され、民間企業による国有地の利用が可能となりました。本事業も同法に基づき実施されるものです。こうした法制度整備を通じて投資環境の改善が進む同国には、今後の民間投資のさらなる促進も期待されます。
JICAはスポンサーとして参画する本邦企業とともに本事業への参画を通じて、同国電力セクターにおける持続可能な発展に貢献するとともに、同国との協力関係の一層の深化を目指します。
JICAは今後も開発途上国・地域の民間企業と連携しつつ、持続可能な環境や社会の実現に貢献していきます。
事業概要は以下の通りです。
・融資先/出資先
Manatuto Renewables Power S.A.
・国名(対象地域)
東ティモール民主共和国
・融資額(上限)/出資額
約1,220万米ドル
・案件名
東ティモール太陽光発電事業
・事業目的
本事業は、東ティモールのマナトゥト県において、太陽光発電所(73.7MW)および蓄電池(80.2MWh)を含む関連設備の建設・運営を通じ、化石燃料依存からの脱却を図り、もって同国の温室効果ガス排出削減に寄与するもの。
・事業概要
太陽光発電所(73.7 MW)、蓄電池(80.2 MWh)および送変電設備等の建設・運営。
・SDGsへの貢献
ゴール 7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)
ゴール 13(気候変動に具体的な対策を)
ゴール 17(パートナーシップで目標を達成しよう)