パキスタン向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:アボタバード市における持続可能な給水サービスの実現に向けた水道事業運営能力の強化に貢献
2026.07.28
国際協力機構(JICA)は、7月10日、パキスタンの首都イスラマバード市にて、同国政府との間で、技術協力プロジェクト「アボタバード市内水道事業管理能力向上プロジェクト」に関する実施枠組みに合意し、討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。
当日の署名は、パキスタン政府経済省経済関係局のMuhammad Humair Karim次官立ち合いの下、Miran Mohiyuddin Soomro上級局長と、JICAパキスタン事務所の篠﨑祐介所長の間で取り交わされました。
署名式の様子
本プロジェクトは、パキスタン北部のハイバル・パフトゥンハー州アボタバード市の水道事業を担うアボタバード水道衛生公社(WSSC-A)を対象に、水道事業の運営管理能力の強化を通じて、持続可能な給水サービスの提供を目指すものです。
アボタバード市では、給水サービスの供給時間が隔日平均3時間程度にとどまっている状況に加え、急速な人口増加や気候変動の影響を受けて、都市部における安定的かつ持続的な給水サービスの提供が重要な課題となっています。
WSSC-Aは、上水道施設の運転・維持管理能力の不足、低額な固定料金制、補助金に依存した財務状況など、技術面・財務面の課題を抱えています。本事業では、日本国内における公衆衛生の向上と水道普及の取組を通じて培われた知見と経験を活かし、事業計画の実施・モニタリング体制の強化、配水管理能力の向上、水質管理体制の改善、従量制料金制度の導入・定着支援などを通じて、水道事業の持続性向上に取り組みます。
本事業は、JICAグローバル・アジェンダ「持続可能な水資源の確保と水供給」に位置付けられるとともに、日本政府が推進する「熊本水イニシアティブ(*)」で掲げている「質の高い水供給」の整備推進にも貢献する取組です。また、気候変動への適応、水資源の効率的利用、水源環境の保全を通じて、地域のレジリエンス強化にも寄与することが期待されています。
*「熊本水イニシアティブ」は、2022年4月に熊本市で開催された第4回アジア・太平洋水サミットにおいて、岸田文雄元首相が発表した日本の国際的な水分野支援政策です。アジア太平洋地域が直面する洪水、渇水、水質汚染、衛生環境の不足、気候変動などの課題解決を目的としています。
事業概要は以下の通りです。
・国名(対象地域)
パキスタン・イスラム共和国
(ハイバル・パフトゥンハー州アボタバード県アボタバード市におけるアボタバード水道衛生公社の給水区)
・事業目的
本事業は、アボタバード水道衛生公社(WSSC-A)の給水区において、WSSC-Aの事業計画の実施・モニタリングの推進、配水管理能力、水質管理能力および従量制料金制の管理能力を向上させることにより、WSSC-Aの水道事業の運営管理能力の強化を図り、もってWSSC-Aの給水区において持続可能な給水サービスの提供に寄与するもの。
・実施予定期間
48カ月
・実施機関
アボタバード水道衛生公社(WSSC-A)
・SDGsへの貢献
ゴール3(すべての人に健康と福祉を)
ゴール6(安全な水とトイレを世界中に)
ゴール13(気候変動に具体的な対策を)