田中理事長がネパール、マレーシア、パキスタンを訪問
2026.08.12
田中明彦JICA理事長は、7月26日から8月6日にかけてネパール、マレーシア、パキスタン・イスラム共和国を訪問しました。本訪問を通じ、3か国の首脳陣との面談や、式典・セミナーへの参加、JICAの協力事業の視察などを行い、アジアにおける日本との深い絆を再認識し、JICAの協力のインパクトを確認しました。
【ネパール】
田中理事長はネパールを訪問し、ワグレ財務大臣を始め、ラムサル インフラ開発大臣、シュレスタ エネルギー・水資源・灌漑大臣との会談を行いました。会談では、日本・ネパールの国交70周年を踏まえ、両国の更なる関係強化に向け幅広い分野で協力していくことを確認しました。
ワグレ財務大臣(左)と田中理事長(右手前)
また、日本の協力により建設された「ナグドゥンガ・トンネル」の完成式典に出席しました。このトンネルは、ネパール初の山岳道路トンネルです。首都カトマンズと国内各地を結ぶ重要な交通の要所に位置し、慢性的な交通渋滞の緩和や物流の効率化が見込まれ、日本の高度な土木技術と長年にわたり培われた経験が、ネパールの国づくりに大きく貢献しました。本事業は日本の技術力や信頼性の高さを示す象徴的な事業となっています。
ナグドゥンガ・トンネル開通式の様子(田中理事長:手前中央)
さらに、カトマンズ市内にある「パタン・セカンダリスクール」を視察しました。この学校は2015年の大地震で被災後、日本支援の「緊急学校復興事業」により再建された学校の一つです。JICA海外協力隊員の活動先ともなっている同校の校内では多くの子供たちが安心して学ぶ姿が見られ、日本の協力が未来を担う世代を支えていることを確認しました。
今回の訪問を通じて、日本の協力がネパールの人々の暮らしを支え、両国の信頼関係を強化していることを確認するとともに、今後も発展を共にするパートナーとして協力を深めていく重要性を共有しました。
【マレーシア】
つづいて、田中理事長はマレーシアを訪問し、アクマル経済大臣、ザワウィ海上法令執行庁(MMEA)副長官と会談しました。経済大臣との会談では、高所得国入りに向けた均衡のとれた発展や二国間関係の強化に資する協力を行うことを確認しました。また、MMEAとは、マラッカ海峡を擁する同国との海上保安協力を今後も継続していくことを確認しました。
アクマル経済大臣(左側中央)と田中理事長(右側手前から2番目)
ザワウィMMEA副長官(左)と田中理事長(右)
また、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)のジェフリー・サックス会長と共に、JICA緒方貞子平和開発研究所とSDSNが共催した共同研究イニシアティブ・キックオフ会合に参加し、基調講演を行いました。講演では、2030年以降の開発アジェンダについての今後の議論にJICAが積極的に貢献することを表明しました。
ジェフリー・サックス会長(右)と田中理事長(左)
他にも、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)を訪問し、パレスチナ留学生向け奨学金に係る文書の署名式に立ち合いました。同式典でのスピーチでは、日馬協力の成果であるMJIITと連携してパレスチナ復興支援を行う意義や、本事業への期待を述べました。
MJIIT署名式の様子(田中理事長:二列目左から2番目)
【パキスタン】
最後に、田中理事長はパキスタンを訪問し、シャリフ首相、イクバル計画・開発・特別イニシアティブ大臣、チーマ経済関係大臣、ナワーズ・シャリフ パンジャブ州首席大臣らと会談しました。会談では、パキスタンが直面する開発課題について意見交換を行い、多様な支援を通じて今後も両国の協力を進めていくことを確認しました。
シャリフ首相(右)と田中理事長(左)
また、田中理事長はファイサラバード市を訪れ、JICAの協力により整備・改善が進む浄水施設を視察しました。配水先家庭も訪れ、安全な水が届くようになった住民の暮らしや、従量料金制導入に向けた取り組みを確認しました。同市では新たな浄水場拡張に向けた支援の検討も進めており、包括的な水道事業支援の成果は「ファイサラバード・モデル」として他地域への展開が期待されています。
JICAの協力により配水状況が改善した家庭を訪問
さらに、JICAが20年以上支援を続けるノンフォーマル教育の現場や、ジェンダーに基づく暴力被害者の支援機関、パキスタン医科学研究所、ポリオ根絶対策を担う国家緊急対策センターに加え、JICAが1990年代に設立を支援した地質科学研究所も訪問しました。教育や保健医療、資源など幅広い分野で、日本の協力が生活基盤の強化や社会の安定に貢献するとともに両国の信頼関係を強化していることを確認しました。
ノンフォーマル教育の授業を受ける生徒と