戸田上級審議役が戦略国際問題研究所(CSIS)主催のウェビナー「日本のコロナウイルス危機への対応とラテンアメリカへの教訓」に登壇

2020年7月7日

【画像】7月7日、米国シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)主催の標題ウェビナーで戸田上級審議役がメインスピーカーとして登壇しました。戸田上級審議役は、強靭な保健システムを含む信頼と社会の強靭性を構築し、コロナウイルスに打ち勝つ自由で民主的な世界を作るべく、日本・米国・中南米諸国を含めたグローバルネットワークを強化する重要性を強調して、聴衆の関心を集めました。

本ウェビナーには約300名が参加しました。その冒頭で戸田上級審議役は、世界で最も高齢化が進んでいる日本が新型コロナによる死者数を少なくとも現在のところは抑制できている点に触れつつ、中南米諸国も、ブラジル等いくつかの国々が極めて憂慮すべき事態にはあるものの、それぞれの国々が次の3点で対応したことに触れました。その3点とは、1)非排他的公共財としての世界の情報・知見の活用、2)透明で公正なリーダーシップ、3)人々の力、です。具体例として、ベリーズが台湾その他を参考にして対処したこと、コスタリカ保健大臣や国家災害対策緊急委員会長官(両者ともJICA帰国研修員)等による国民に寄り添った政策実施、産学官協力による安価な人工呼吸器や個人防護具(PPE)の現地生産等を挙げるとともに、ブラジルとの合同症例検討会やメキシコとの子どものメンタルヘルスのウェビナーでは日本と知見を共有し学び合いを深めていることを紹介しました。
CSISのGreen副所長は、日本のコロナ対応について、感染源や感染経路の特定、自然災害への備え、国民皆保険や保健所等の地域医療の充実等、他国が日本から得られる教訓は多々あると強調しました。また、ODAにより日本は東南アジア諸国から「最も信頼できる国」として認識され、長年のJICAによる人材育成を通じてネットワークと信頼を構築し、迅速にコロナ危機に対応している点を評価しました。中南米においても歴史的な結びつきを活かして、各国が日本からより多くを学べると指摘しました。
パンアメリカン開発基金のテイラー代表は、中南米が新型コロナの新たな震源地になっており、脆弱層を中心に保健医療のみならず社会経済に大きな被害をもたらしている点を懸念し、特に防災、デジタル、保健分野での日本の協力に期待を寄せました。
モデレータを務めたCSISのルンデ副所長が、コロナ危機はデジタルトランスフォーメーションのチャンスでもあるとともに、サプライチェーンの見直しも始まっているのではとの問うたのに対し、グリーン副所長は、サプライチェーンのリスク低減を求めている日本企業にとってAPEC加盟国や日FTA協定国は有利であると回答しました。他方、デジタル分野では5GのDecoupling(日米豪英越等はHuawei排除)が生じているが、中南米諸国はHuaweiの低価な5Gの導入の議論はこれからであるが、2つのシステムの共存による開発の複雑化を懸念していると述べました。最後に、戸田上級審議役の発言を受け、ルンデ副所長が、デジタルトランスフォーメーションにおけるガバナンスと自由主義のネットワークが重要であることを強調しながら登壇者に謝意を述べ、ウェビナーは閉会しました。