中澤理事がジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究所(SAIS)ライシャワー東アジア研究センター主催のウェビナー「SHADOWS:COVID-19、開発途上地域及び東アジアの対応」に登壇

2020年8月26日

8月26日、標記ウェビナーにて、ケント・カルダー(Kent Calder)ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所所長の司会の下、中澤理事がスピーカーとして登壇しました。中澤理事はインド等開発途上国の新型コロナへの対応やJICAの既往保健医療支援・世界健康イニシアティブ等を説明し、質疑応答では、日本の新型コロナ対応の経験や、感染拡大予防における衛生予防観念の大切さ等を指摘し、開発途上国の新型コロナ感染拡大防止へのJICAのアプローチ等について紹介しました。また、同じく登壇したドーンシフ(Dornsife)SAIS上級顧問(元ADB米国理事)からは国際開発金融機関の新型コロナ対応緊急支援状況等を説明されました。

中澤理事からは、インドでは依然人口の半数が$3.20/日以下の貧困層であり、新型コロナにより世界全体で既に約1億人が絶対的貧困に逆戻りしたとの指摘もある中、新型コロナによるインドへの影響を懸念すると指摘しました。また、インド政府は早期ロックダウン実施等を講じたものの、出稼ぎ労働者等、インフォーマルセクターの脆弱層への打撃は深刻のため、JICAはインドに対する財政支援と病院支援について言及しました。また、ベトナムやガーナでの保健医療人材育成や医療検査体制強化等、具体的事例も紹介しました。

また、ドーンシフ上級顧問は、先進国を中心に世界全体で、現時点で新型コロナに関連し約11.5兆ドルが財政出動され、今後更に数兆ドルが必要と指摘しました。これに対し、開発途上国を中心に国際開発金融機関は既に1,750億ドルを承諾したが、効果的な資金活用と透明性確保に、市民団体・シンクタンク等の役割が重要と述べました。また、ポストコロナでは特に気候変動対策等の持続的開発の重要性を訴え、世界経済フォーラム(WEF)「The Future of Nature and Business」報告書では、新たな土地・海洋利用、インフラ整備、再生可能エネルギー等を通じ2030年迄に約10兆ドルのビジネス機会、約4億人の雇用創出が可能としている旨紹介しました。

最後にカルダー所長より「パンデミックは何に警鐘を鳴らしているか」の問いかけが紹介され、中澤理事よりグローバル化により世界全体がパンデミックのリスクを負っており、特に脆弱層を意識し、世界各国が協力のため「結束(unite)」していくべきだとの警鐘であると指摘しました。

【画像】

上段:SAIS カルダー所長(左) SAIS ドーンシフ上級顧問(右)
下段:JICA中澤理事