AFRI CONVERSE 2020 #2「躍進の大陸・アフリカのビジネスチャンス-アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の展望-」の開催(JICA-UNDP共催)

掲載日:2020.08.28

イベント |

概要

会議名:AFRI CONVERSE 2020 #2「躍進の大陸・アフリカのビジネスチャンス-アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の展望-」の開催(JICA-UNDP共催)
開催日:2020年8月28日
主催:国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)
場所:ウェビナー

「AFRI CONVERSE2020」はアフリカ開発に関係する個人・団体のネットワーキングと意見交換を目的としたJICA・UNDP共催のイベントシリーズです。TICAD7における議論のフォローアップと2022年開催予定のTICAD8に向けた機運醸成を図るため、2020年6月より、隔月最終金曜日に開催しています。

第2回目の今回は、アフリカへの投資促進の起爆剤として期待されているアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を中心に、アフリカにおける貿易と投資について議論しました。AfCFTAは2019年5月に発効し、2020年7月からの運用を目指していましたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け現在は2021年以降運用開始予定となっています。ウェビナーでは各登壇者より、AfCFTA協定の概要、新型コロナウィルスがアフリカの貿易と投資へ及ぼす影響、日本の民間セクターとAfCFTAの関わり、アフリカ地域経済共同体(REC)による地域統合の達成状況とAfCFTAとの関係などについて説明がありました。また、対話型セッションではAfCFTAの運用や域内貿易活性化に向けた課題について議論しました。

今回のイベントには日本・アフリカの様々なセクターから250人以上が参加し、AfCFTAに対する関心や期待の高まりを感じました。

プログラム

各登壇者からの発表

対話型セッション

パネリスト

  • AfCFTA事務局 首席補佐官 シルバー・オジャコル氏
  • UNDP アフリカ担当戦略顧問 ジョイ・カテゲクワ氏
  • 経済産業省 大臣官房参事・アフリカ首席駐在員(JETROヨハネスブルグ)菅野将史氏
  • JICAコートジボワール事務所 広域企画調査員 徳織智美

モデレーター

  • JICA 国際協力専門員 本間徹

質疑応答

内容

AfCFTA事務局のオジャコル首席補佐官は、アフリカの貿易及びAfCFTA協定の概要を説明し、協定の具体的な目的として、関税・非関税障壁の段階的撤廃、通関の効率化と貿易の円滑化、投資・知的財産・競争政策に関する協力、紛争解決メカニズムの確立などを挙げました。またAfCFTA協定の運用開始以降、90%の関税分類品目につき段階的に関税が撤廃され、3%は除外品目、7%はセンシティブ品目として3年から5年の間に関税が撤廃されると説明しました。

UNDPのカテゲクワアフリカ担当戦略顧問は、新型コロナウィルスがアフリカの貿易と投資に及ぼす影響として破壊的影響と回復の両面があると説明しました。一次産品輸出への打撃、債務負担の拡大と財政状況の悪化などネガティブな影響が大きい一方で、アフリカで現地生産された製品の販路拡大の余地が生まれていると期待を延べました。またこの現地生産の流れを後押しするために、生産能力強化などの政策や新たな投資体制モデルの推進等の重要性を説きました。

経済産業省菅野大臣官房参事は、AfCFTAが日本企業へ及ぼす影響について説明し、高い関税率などアフリカ域内貿易の制約が日本企業にとっても問題となっていることを指摘しました。日本企業は、一部のREC内で導入されている自由貿易協定(FTA)を活用することができると助言し、さらに今後AfCFTAが現行の地域FTAに包摂されていない新たな貿易経路の発展を促進することが期待されると述べました。

JICAコートジボワール事務所の徳織広域企画調査員は、AfCFTA運用へ向けた課題として非関税障壁の撤廃や、国境を越えた税関システムの統合など、ソフトサイドの相互接続性の必要性を指摘しました。JICAのアフリカの貿易円滑化に対する支援として、税関の近代化やワン・ストップ・ボーダー・ポスト(OSBP)の運用支援などを紹介しました

【画像】

イベントの様子