2021年国連開発協力フォーラムハイレベル会合にJICA竹谷防災分野特別顧問が登壇
掲載日:2021.05.06
イベント |
会議名:2021年国連開発協力フォーラムハイレベル会合
開催日:2021年5月6日
主催:国連経済社会局(JICAが登壇依頼を受けたもの)
場所:オンライン開催
2005年世界サミット(国連首脳会合)にて、援助潮流形成や開発課題を検討する主要プラットフォームとして開発協力フォーラム(Development Cooperation Forum, DCF)が設立されました。国連の経済社会理事会(Economic and Social Council, ECOSOC)の下で2年ごとに開催されるDCFでは、SDGs、パリ協定、および仙台防災枠組みの実現に向けて資金調達、能力強化、パートナーシップ強化等を議論し、開発協力の包括的な推進に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症拡大により既存の開発課題の深刻化と共に、新たな社会経済的リスクの顕在化が見られるようになりました。このような中、本パネルは「Navigating the risk landscape through development cooperation」をテーマとし、開発協力におけるリスク情報に基づくアプローチ(Risk-informed approach)の観点から、新型コロナウイルス対策やレジリエンス構築をどのように取組んでいるか、事例や課題を共有しながら議論することを目的に開催されました。
国連仙台防災枠組みの日本政府交渉団の主要メンバーだった竹谷特別顧問は、仙台防災枠組み2015-2030のリスク削減アプローチの理念をその新型コロナウイルス対策への適応可能性について発表しました。本アプローチの基本的な考えである災害マネジメントサイクルに基づき、災害や被災後の対応だけでなく、将来の危機に対する事前投資およびレジリエントな体制構築によるリスク削減の実践が重要であると強調しました。人為的災害の発端ともなる自然災害の予防の必要性と、それに係るJICAの取組についても紹介しました。また、これまで確立されてきた防災マネジメントサイクルを、今後の新たなパンデミックへの適応可能性について提言しました。さらに、リスク削減アプローチを国際的な開発援助潮流へ反映する重要性について発信しました。
他の登壇者からは次の点の重要性について言及がありました。1)包摂性・透明性・柔軟性を重視したリスク情報に基づく開発アプローチ、2)災害の発生・悪化要因となる脆弱性への対処および南南協力を通じたナレッジ共有・相互学習、3)後発開発途上国(LDC)や内陸開発途上国(LLDC)の災害予防・被害軽減に充てられるODA増額。
このようなハイレベルなイベントにおいて、JICAはリスク削減アプローチと事前投資の必要性および本分野の援助潮流形成に日本が大きく貢献している姿勢を印象付けることができました。
竹谷防災分野特別顧問登壇の様子
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