エルサルバドル「JICAチェア」キックオフ・セミナーを開催

2021年6月24日

概要

会議名:「JICAチェア」キックオフ・セミナー -日本の開発経験から知る変化の道程-
開催日:2021年6月24日
主催:国立エルサルバドル大学、JICAエルサルバドル事務所共催
場所:エルサルバドル国サンサルバドル市

主な参加者

対面式:エルサルバドル大学の教員・学生 約50名
オンライン:政府関係者・各大学関係者・JICA関係者等 約200名

背景・目的

エルサルバドル国は、1935年の日本との外交関係樹立以降、内戦での中断はあったものの、日本の国際協力の長い歴史と経験を有した親日的な国であり、日本の経済・社会・文化等に対して総じて国民は高い関心を有しています。

JICAチェアのカウンターパート機関である国立エルサルバドル大学(UES)は、当国最古にして唯一の国立大学であり、国内各地の分校も合わせると5万人を超す学生を擁するマンモス大学として、1841年の開学以来常に国の根幹となる有為な人材を輩出してきました。また、今年3月には日本財団による図書寄贈プログラムを得て、日本研究の裾野整備にも取り組んでいます。

UESに対してJICAはこれまで、研究協力や農業分野の協力、研修員・留学生の派遣、日本語学習者への支援等の協力を行ってきました。これまでの協力の蓄積を踏まえ、昨年来JICAチェアを実施するためのパートナー機関として意見交換を進めてきた結果、今般キックオフ・セミナーを開催することが出来ました。

本セミナーでは、日本の開発の経験を紹介することを通じて、エルサルバドルの経済発展の過去・現在そして将来について学び、考える機会とすることを目的に、『日本の開発経験から知る変化の道程』をサブタイトルとして、基調講演とあわせてパネルディスカッションを行いました。エルサルバドルの未来を拓く学生たちにとって、本セミナーが自国の将来について考え、議論する機会となることを期待するものです。

内容

本セミナー冒頭において北岡理事長のビデオメッセージを紹介、続いてエルサルバドル大学の法・社会科学部のマタ学部長の開会挨拶、さらに「日本の近代化を知る7章(西語版DVD)」から第4章「経済成長と日本的経営」の一部放映を行い、その後、元駐エルサルバドル特命全権大使の細野JICAシニア・リサーチ・アドバイザーより「日本の開発経験の観点からの変化の道筋」をテーマとした基調講演を行って頂き、「経済成長と日本的経営(DVD)」で取り上げられている日本的経営に関連した具体的な説明とエルサルバドルでの事例を紹介しながらの日本の開発経験に係る講演は大変興味深く、対面式で参加していた学生たちは熱心にメモを取っていました。

基調講演の後、細野JICAシニア・リサーチ・アドバイザー、UES国内・国際関係学教授のエルナンデス氏、教育省教育政策局長のグラナドス氏、シンクタンク機関であるエルサルバドル経済社会開発財団(FUSADES)経済研究所部長のトリグエロ氏の4名をパネリストとして、「エルサルバドルにおける経済成長の特徴とその課題」と題したディスカッションを行いました。これまでのエルサルバドルに対するJICAの協力の重要性、特に日本のKAIZEN・5Sによる規律、信頼関係の構築といった精神性、渋沢栄一氏の好んだ「近江商人の三方よし」に通じるWin-Winの関係構築が重要なことについて意見がありました。

質疑応答セッションでは会場とオンラインから、「生産性と質を考慮した持続的なツーリズムとアグロインダストリーはエルサルバドルの発展のカギとなるか」「KAIZENがどのように社会プログラムに影響を与えるか」等エルサルバドルの未来を創る若者からの溌剌とした質問があり、登壇者との活発な意見交換がなされました。準備や運営上の改善点はありましたが、質問の内容や参加者の真剣な様子から本セミナーの目的は達成できたものと思います。引き続き、今回の成果と課題・教訓を踏まえて、よりよいJICAチェアの実現、短期集中講座としての実施を目指して、エルサルバドル大学との協働を進めていきたいと考えています。

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北岡理事長からのビデオメッセージ

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細野シニア・リサーチ・アドバイザーの基調講演

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パネルディスカッション

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集合写真