エチオピアにおけるSATREPS事業のキックオフ会合を開催しました

掲載日:2021.07.01

イベント |

概要

会議名:エチオピアSATREPS事業キックオフ会合「ナイルの源流エチオピア・タナ湖で過剰繁茂する水草バイオマスの管理手法と有効利用プロセスの確立(通称:EARTH)」
開催日:2021年7月1日
主催:創価大学、バハルダール大学(JICAは事業実施主体)
場所:オンライン

主な参加者

【エチオピア側:計30名程】
エチオピア高等教育省(アフェワーク次官)、バハルダール大学(フィレウ学長、ソロモン准教授他)、インジバラ大学(ガルダチョウ学長他)

【日本側:計60名程】
在エチオピア日本国大使館(伊藤特命全権大使他)、創価大学(馬場学長、佐藤教授他)、滋賀県立大学(伴教授他)、琵琶湖環境科学研究センター(酒井研究員他)、JST(増田研究主幹他)、JICA本部・エチオピア事務所関係者

背景・目的

エチオピア最大のタナ湖は、青ナイル川の源流として、本来自然環境豊かな風光明媚な場所として知られていますが、現在では船を出せないほど密集して湖面を覆う外来水草「ホテイアオイ」が湖面の6分の1を覆うほど過剰に繁茂し、様々な環境・経済問題を引き起こしています。

本事業は、これらの問題を解決するために、健全な湖沼生態系への修復を目指し、ホテイアオイの刈取り手法と、収穫されたバイオマスの有効活用方法を研究開発及び社会実装していくものです。

得られたバイオマスは栄養価の高いスーパーフードと呼ばれる「スピルリナ」や現地野菜・農作物を生産するための肥料や土壌改良材に変換することで、「見えない飢餓」が蔓延するエチオピアにおいて人々の栄養改善を目指します。

内容

本会合では、開会挨拶として馬場・創価大学学長が、本学創立50周年の重要な節目に開始されたことの意義や成功への期待について述べた後、事業リーダーの佐藤・同大理工学部教授及び事業マネージャーのソロモン・バハルダール大学准教授が事業内容を説明した後、アフェワーク・エチオピア科学高等教育省副大臣が研究交流の重要性や事業への期待を述べました。

続いて、伊藤・在エチオピア日本国大使が、研究活動・技術移転を通じた創価大学のエチオピアへの貢献に期待を寄せるとともに、森原・JICAエチオピア事務所長が、エチオピア国内での注目度の高さや研究の社会実装化への期待を述べ、増田・JST研究主幹は近隣地域のモデルケースとなることへの期待を述べました。

閉会挨拶では、フィレウ・バハルダール大学学長が、ユネスコ認定の生物圏保存地域のタナ湖における事業の意義や日本側研究機関への謝意について述べられるなど、本会合は総じて両国の事業推進に対する熱意が示されるものとなり、特に事業の意義や目標について共通認識が醸成されるものとなりました。

創価大学は2017年度よりバハルダール大学やインジバラ大学と共同研究「Plankton Eco-engineering for Environmental and Economic Transformation(2017-2021:文部科学省)を行い、ホテイアオイの高速処理と現地微細藻類生産の基礎技術開発に成功してきました。JICAとしても、この実績を基礎とした本事業を通じて、過剰繁茂した水草バイオマスの適切な管理と有効活用法の確立が達成され、持続的な自然資源管理及び農業生産性・安定性向上、栄養改善、ひいてはSDGsゴール2「飢餓撲滅」、同9「産業・技術革新・インフラの構築」、同15「陸域生態系の保全」に寄与することを目指しています。

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タナ湖で過剰繁茂しているホテイアオイを上空から撮影した写真(東京都23区に匹敵する約500平方キロメートルに広がっている)

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プロジェクトリーダーの創価大学理工学部佐藤伸二郎教授がEARTHプロジェクトの概要を説明している様子

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エチオピア科学高等教育省 アフェワーク・カッス副大臣(徳島大学で博士取得)

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在エチオピア日本大使館 伊藤恭子特命全権大使

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バハルダール大学 フィレウ・テゲネ学長

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キックオフミーティング全体記念撮影写真